約 431,368 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1557.html
651 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/01(土) 17 26 31.45 ID dxXPFnID0 SS『となりの801さん』京,瀬 「それでですね?桐乃ちゃんってば、あれから『桐×京』画像にハマっちゃったみたいで」 「そ、そうか・・・」 「いやー、やっぱ801っていいですよね!誰かが言ってましたけど 『ホモが嫌いな女子なんて居ません!』って至言だと思いませんか?ねえ、高坂せんぱい!」 言わなくとも分かるとは思うが、俺は今、腐女子の腐女子による腐女子のためのトークを聞かされている所だ。 フラっと寄ったゲー研の部室。そこによりにもよってコイツだけがいたってわけだ・・・ そして、この腐女子が作り上げたキャラクター『桐乃くん』 茶髪で、長身で、美形で、何故かヘアピンをつけて・・・ 挙句、『人生相談と称して、お兄ちゃんにエロいことをしちゃうのです』だとぉ!? 俺の妹がこんな言い訳がましくそんなことするわけがねーだろうが!!! ・・・い、いや、『桐乃くん』と『京介』という名のキャラクターだけどよ・・・ 「それにしても驚きました。 桐乃ちゃんが801に目覚めてくれるのは計画通りですけど、 桐乃ちゃんから絵の依頼が来るなんて思いませんでしたし」 「ん?絵の依頼だって?」 「はい。あたしが巻き込んだ絵師さんに間接的にお願いって感じなんですけど、 結構な枚数で、いろんな構図のお願いがありましたよ?」 おいおい、マジかよ? こいつの影響で桐乃のやつ腐女子化しつつあるのか? 妹エロゲーやってるよりは、『普通の女の子』らしいのかもしれないけどよ、 なんつーか、こう、なあ? 「はぁ・・・でも、ちょっと困った部分もあるんですよねー」 わざとらしくため息をつく瀬菜の様子に、少し興味をひかれてしまう。 「何か問題でもあんのか?」 「いえ、桐乃ちゃんが801に目覚めてくれたのはいいんですけど、なんていうか・・・」 言葉を濁して何か言いにくそうな瀬菜なんだが・・・ いや、コイツ結構常識人だもんな。 兄である俺に、桐乃の悪口は言いたくないって気持ちは十分に理解できる。 「いいぜ、あいつもちょっと悪い所があるからな、好きに言っていいぜ?」 「そ、そうですか!・・・では」 パッと顔を輝かせる瀬菜。 こういう所だけは、あの妹馬鹿兄貴の気持ちもよくわかるってもんだ。 「そもそも桐乃ちゃんは『カップリング』というものを理解していません!!!!!!!!!!」 「・・・・・・・・・はい?」 訂正。分かるかってんだ。 「いいですか、せんぱい?そもそもですね、これは圧倒的な受けオーラを放つせんぱいの存在があってこそのカップリングな訳で、 『桐×京』は存在しても、『京×桐』なんて物はこの宇宙のどこを捜しても存在するわけないじゃないですかっ!」 「・・・う、宇宙やべーな?」 「それを桐乃ちゃんって、簡単に受け攻めを入れ替えたり、酷いときなんて一つのメールの中ですら受け攻めが入れ替わるんですよ!? 大体、特別な信条があって受け攻めを入れ替えるならまだ理解出来ます、でも出来るだけで受け入れるのは論外ですが、 入れ替えたなら入れ替えたなりの理由付けというか設定を考えるのが筋ってものじゃないですか!?そもそも『京×桐』とか論外ですよね? だって、『桐乃くん』は、先輩の圧倒的受けオーラがあたしのお兄ちゃんでも受け止め切れない、ってゆーか、お兄ちゃんも結構受けキャラなんですよね。 とにかく、その受けオーラを満たすべく創造された、いわばせんぱいと一心同体な存在なわけじゃないですか! しかもその関係性は『桐×京』に集約されているというのは自明なわけで、そうであればカプを逆にするとかありえませんし、 『桐×京』のみが唯一この宇宙に存在を許されているといっても過言ではないわけです。それを『桐乃くん』がせんぱいに攻められてる所を描いてとか はっきりいって誰得なんですか!?いえ、誰も得しませんよ!あたしも得しません!大事なことなので三回言いました!たしかに攻めキャラが 受けキャラに攻められるギャップ萌えというのも一部で有ることは認めますよ。でもそれってその受けキャラに攻めるだけの理由が、攻めキャラに 受けるだけの理由がないとダメに決まってるじゃないですか!一億総受けのせんぱいのキャラだったら当然受けにしかなれないのは常識を超えた 絶対真理の力です!そもそも考えてみれば桐乃ちゃんは801初心者にあたるわけで、いきなりこんな邪道カプから入ったら、その後五更さんみたいな 厨二病発症したって文句言えませんし、本当の意味でこの世界を理解出来ないまま終わってしまいます!ですから、改めて言いますけど『桐×京』こそが 至高であって、それ以外は認められないわけです!それが第一点で、次に桐乃ちゃんの希望するせんぱい単独の絵とか常軌を逸してます!!! だって、せんぱい単独とか見たって何も萌えないじゃないですか?ありえませんよね?本当にありえませんよね?だってせんぱいですよ? 『部長×高坂せんぱい』とか『赤×京』とかならまだ理解も出来ますけど、というか『真壁せんぱい×高坂せんぱい』や『御鏡さん×高坂せんぱい』でも けっこうギリギリな気がしますし、あ、でもせんぱいが輪○されるなら3Pでも4Pでもアリかなって気はするんですけど、 それはまた別腹なので置いておいて、とにかくせんぱいだけの絵とか見たって、正直萎えるとしか。あっ、別にせんぱいの顔が悪いとかそういう意味じゃないです。 BLってのは関係性の哲学だと思うんです。だって、許されない関係の二人が結ばれるところに萌えが生じるわけで、だからせんぱいじゃなくても 単独とかいう事自体がありえないと思うんですよ!そりゃもちろん、一人で居る事とかあるのは当然あるでしょうし、この世界でも片方だけの絵もあって しかるべきではあるんですけどそれってやっぱり理由のある事で、一人でも映えるって事もありますし、複数のカプを妄想できるようにって作者の配慮も あると思うんです。そういった観点で考えればせんぱいって今業界では『桐乃くん』と一体不可分ってのが常識ですし、せんぱいの唯一の特徴である 圧倒的な受けオーラを表現するためには攻めがいないとしょうがないじゃないですか。もちろんそれを単独で表現する事も出来ない事はないですけど、 そこに絶対に切れない家族の縁とか『桐乃くん』の特別性を表現するためには他者の入り込む余地のない状況を作るのが筋と言うもので、 そう考えれば『桐乃くん』のいないせんぱいなんて、BLのないショタ本とか、誰も性的欲求を持ってない男部屋とか、挿入の無い18禁同人誌とか みたいな物じゃないですか!それにですっ!これが・・・これが一番許せないんですけど、『桐乃くん』を女体化出来ないかなんて・・・!!!!!!! アレです。BLに必要なものは何であるか。♂と♂です。コレ、世界の常識です。♀と♀ではただの百合ですし、♂と♀だとただのスイーツ(笑)です。 何故BL、ボーイズラブと呼ぶのか。そこには男の子しかいないからじゃないですか!!!!!女の子のスイーツ(笑)恋愛とか誰が見たいっていうんですか? 男の子同士で愛が芽生え、相手の『男の子』を受け入れる事ができるからこそのBLですっ!桐乃ちゃんはそこがわかってません!!! 『どうしても桐京が良いならふたなり化すれば?』とかっ!あんなのゲイ・ボルグがついたただの女じゃないですかっ! 女がいくらいたってBLは成立しない。せんぱいだってそう思いませんか?・・・・・・・・・せんぱい?」 ――――――10分後―――――― 「ごめんなさい、あたしったらつい・・・」 「いや、もういいって。だいたい俺がうながしたわけだしな」 「・・・はい・・・」 腐海の瘴気にやられた俺は、つい気を失ってしまってたってわけだ。 それにしたって、今日の瀬菜は凄まじかった。 桐乃の無理解によっぽど頭にきてたんだろうな・・・ というかよ? 「つか、言いにくいんだが、桐乃、801に目覚めたわけじゃないんじゃね?」 「・・・・・・・・・やっぱり、そうですか?」 「ああ。冷静に、客観的に見て、エロゲー目線でしか喋ってないと思うぞ?」 「・・・・・・・・・はぁ・・・」 さすがに力なく俯く瀬菜。 まあ、瀬菜の暴走はちょっとアレだったが、少し可哀想にも思える。 「すまねえな、桐乃にもあまり言い過ぎないように言っておく」 「いえ、あたしの勘違いが原因ですし・・・ それに、桐乃ちゃんのおかげで色々なBL妄想も捗っていますから!」 そういって、にへらと笑う俺の前の腐女子。 その切り替えの早さには敬服するが、正直、キモイ。 「そもそも、『人生相談』っていう設定も、五更さんから桐乃ちゃんの事を聞いたってのも大きいですし」 ・・・そこはあいつが原因だったか・・・ 「『桐乃くん』も『京介』も、お互いケータイにツーショットプリクラを貼るくらいラブラブってのも大人気の設定ですし」 「・・・今度は誰が原因だ・・・」 「え?せんぱいの携帯にも、桐乃ちゃんの携帯にもツーショットプリクラ貼ってるじゃないですか?」 俺が原因でした! まあ、だけど大丈夫。 ここまでなら親父達だって知ってる事だし――― 「それに、これもあたしイチオシの設定なんですけど、初めては騎乗位って―――」 「ま、待てっ!だっ、誰に聞いたっ!」 「ええと、今言ったとおり桐乃ちゃんの性格から考えた設定で、『桐乃くん』は『京介』を下からガンガン突き上げ・・・る・・・?」 「・・・・・・・・・」 「・・・『誰に聞いた』って何のことですか?」 「・・・・・・・・・」 さて、本当にどうしようか・・・ 瀬菜は、とりあえずドン引きしながらも深くは追求してこなかったんだが・・・ 次は黒猫に伝わるだろ? そして、沙織とあやせにも伝わるだろ? 特に『あやせに』伝わってしまうだろ? 大事な事だから2回言ったんだが・・・・・・・・・ 本当に、どうしよう・・・ End. ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1156.html
266 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/09/26(月) 15 50 07.84 ID Dv+DbQFa0 [1/2] SS彼女が髪を黒く染めたら2-SIDE桐乃 時間軸設定は原作6巻辺りのイメージでお楽しみください。 3本立てとなっていますが、 彼女が髪を黒く染めたら1-SIDE京介 彼女が髪を黒く染めたら2-SIDE桐乃 彼女が髪を黒く染めたら3-SIDE??? の順に読まれると面白いかと思います。 「いつもあやせにデレーっとしちゃってさ。キモいったらないっての!」 あたしはなんで怒ってるんだろう。あいつは単なる兄貴だし、別に怒る理由ないのにさ。 何故かあいつがあたしの友達を見たり仲よくしたりしてるとイライラするんだよね。 あいつだってあたしの事嫌ってるだろうし、お互い様だと思ってるんだけど、なんでだろう。 ──大嫌いな癖してあたしのピンチには必ず助けてくれる。大嫌いなはずのあたしの兄貴。 たまに浮かび上がってくる感情の意味が分かんなくて、変な事言わせてくるバカ兄貴。 意味が分かんないよ、なんであたしはあんな事言っちゃうんだろう。 『あんたの事、好きかも』なんて絶対あたしが思ってるワケないじゃん!…ないはずじゃん。 『京介って、本当はあたしの事。どう思ってるんだろう』 分かってる癖に、と思いながらも考えてしまう。やっぱり今日のあたしは変だ。 気持ちを切り替える為に、あたしはタンスの上に置いてある香水の中から1つを取りだす。 どうせ言ってやっても気づかないだろうけど、なんて考えながら軽く首筋に振りかける ─少しは気分転換にはなったようだ、今までのモヤモヤしていた気分が少し晴れて来る。 気分が落ち着いたあたしは、タンスの上にあった1つの小瓶に目を留めた。 そう言えば前にこんなの貰ってたっけ。≪インスタントヘアカラー・ブラック≫と書かれた小瓶を手に取る。 その小瓶は某化粧品会社がスポンサーの仕事を受けた時に、担当者の人が『試供品なんだけど 面白いから試してみて!』と言ってたので受けとったものだ。 イベントパーティ向けグッズで簡単にヘアカラーを変えて楽しめるって言ってたっけ。 お風呂ですぐ落とせて、数時間立てば色も消えるお遊びアイテムらしい。 黒髪かあ。そう言えばあいつって黒髪がなんか好きっぽいんだよね。あやせの事気に入ってるし。 ──ちょっとだけ試してみようかな。あいつの為とか、そんなんじゃないから! □ 『これがあたし…?』 鏡で自分の姿をみて、呆然とする。いつものライトブラウンの明るい髪ではなく、 黒く染まった髪を持つあたしがそこには映っていた。 前髪の癖っ毛を止めるヘアピンも外しているのでまるで別人みたいだ。 うーん。でもなんかあやせっぽくは無いんだよね。やっぱり雰囲気が違うのかな。 あやせってお嬢様だし、仕草とかもそれとなく上品ではあるんだよね。 髪の色変えただけじゃ、代わりになるのはムリはあるか──って何考えてるんだあたし! …ゴトン。 あれ。いまベッドの方から音がしなかったっけ。それとも京介のやつが頭ぶつけたのかな。 え…ええ!あたし今『京介』なんて言わなかったっけ!?あたしがあいつを…! ぶんぶんとかぶりを振って打ち消す。でも、なんの音だったんだろう。 ベッドの方をみてみるけど、特に変わった事は無い。やっぱ気のせいかな。 ヘアピンで髪の毛を整えながら、あたしは窓の外を見る。何も変化はない。 あたしがほっとしたと同時にコンコンと後ろから音がして、ドアを開ける音が聞こえた。 ──そして誰かが入って来る気配を感じる。 「きり…の、って。おわ!? あ、あやせ……さん?」 入ってきた誰か─京介の最初の言葉はそれだった。 こいつ…パジャマで誰か分かるはずじゃん! あたしのパジャマ姿見てないっつーの? 急に入ってきた事に対する驚きより、あたしが感じたのはそれだった。 思わず肩を震わせ、あたしの中に何故かふつふつと怒りが湧きあがってくる。 あたしの事なんてこれっぽっちも見てないんだ─ってなんで怒ってるんだっての! よく分からない怒りを抑えつつ、あたしは後ろを振り向く。 「…へ? まさか桐乃、お前…か?」 その時の京介の顔は、とても間抜けな表情だった。 つかなんであやせだって思ったんだろう…と自分でもバカな問いをかけ、すぐに思い当たる。 あああああ!今のあたしって黒髪じゃん!? やばいやばいやばいやばい。こいつの事だからあたしの弱みを握ったとか思うはず。 「あ、ああああんた! なんであたしの部屋に来てんの!?」 ってかあたし同様しすぎだって!落ち着け落ち着け…なんて言ってもなかなか落ち着かない。 「いや、ええと…ってなんで俺が慌ててんだよ! お前が今日までにエロゲコンプしとけつってたから さっきまでやってたんじゃねえか。んでついさっき終わったんで返しに来たんだよ。じゃねえ! 桐乃、お前その頭はなんだ? なんでその…黒い髪なんだよ」 そう言えばこいつに貸したエロゲって期限今日にしてたっけ。忘れていた事に心の中で舌打ちする。 と言うかどうやって誤魔化そう。『あんたの好みだって言うからやってただけだって』じゃないし! そんなのあたしじゃない…えーっと、そうだ! 「こ、これは違うっての! 今度やるモデルの仕事で使うから試してただけ」 我ながらいい答えだと思った。こいつはあたしの仕事なんて知らないだろうしきっと大丈夫! だけどその答えを聞いた京介は、苦虫を噛み潰したような表情を見せる。 「モデルの仕事でって、わざわざ髪染めさせるってのか?」 …こいつってもしかして、あたしの心配してくれてるっての? こいつの─京介の表情は髪を染めた事に対して何か、その怒っているような雰囲気を感じる。 たしかに今までのあたしなら、自慢の髪を染めるなんてしないし、やっぱり変だったかな。 「大丈夫だって。数時間で落ちるやつだし。それに髪傷めたりしないから」 「そうなのか?」 「うん。そんなキケンなのだったらあたしだってオッケーしないってば。水で洗うとすぐ落ちるし」 「ならいいけどよ。俺の妹にヘンなもん使わせてるんじゃねえかと焦ったぞ」 あたしの答えにほっとした表情をする京介。でも、『俺の妹』かあ。こいつにそんな事言われるなんて 今まであったっけ。なんかまるで普通の仲が良い兄妹みたいじゃん。 思わず表情が緩むのを感じる。やば、こんな顔見られたくないけど、嬉しいよ。 「へー。ふーん。あんたあたしの事がそんなに心配なんだ? チョー焦る位に」 そう言えばなんか超シスコンの気があるんだよね。心の底じゃもしかしてあたしが大好きだったりする? …なワケないよね!お互い超大嫌いだし、絶対そんな事ない…はず。 「へっ! 心配なんてしてねーよ」 「はいはい。ま、あんたに心配なんてされてもキモいだけだし」 だよね。やっぱりこういう態度がこいつだし。あたしの勘違いだったんだって。 「それで一体どんな仕事なんだ? 桐乃がわざわざ髪を染めるほどってよっぽどなんだろ?」 こいつに聞かれて一番重大な事を思い出す。黒髪の事どう説明しよう。 じゃなくてどうやってこいつを追い出そうか。 「え…ええっと…その」 そうだ! いい事を思いついた。あたしの仕事って事にすれば大丈夫! なんかさっきも同じコト思った気がするけどきっと気のせい。 「えっと──そう! 黒髪の妹が実の兄と見つめあってるシーンが撮りたいんだって!」 ちょっと待ったあ! 今何言った? あたし何言った? 妹が実の兄と見つめあってる…って。頭正常だよね…? 「ぶはっ! ちょ、ちょっと待て! なんでそこで実の兄なんだ!」 当然の反応を返してくる京介。てゆかなんかこういう場面どっかで見た気がする。 何だったっけ……そうだ! こいつに貸したエロゲじゃん!? 「そう言う設定なんだからしょうがないじゃん! あ、あたしだってキモすぎて止めてって感じだし。 でも、あんたがそう言うつもりならしょうがないかなって。あんたとんでもないシスコンだし」 「ちょっと待てい!? なんでそこで俺が入ってる! それってモデルの仕事じゃないのか?」 何かとんでもない事を口走ってる気がする。やばい、なんか動転してる…!? くそ、いつもならここでこいつが助けに入ってくれるのに…って当人相手じゃムリだよね。 なんとか自分を落ち着かせようと頑張ってみるけど、何故か言う事を聞いてくれない。 うわ…これってマズイパターンじゃない。なんか分かんないけどこいつが絡むと 自分の意思が働かなくなる時があるんだよね…今もきっとそんな感じがする。 と、とりあえず話をなんとか進めないと! 「そ、そう仕事の話! そう言うシチュの子撮りたいって話」 「そう言うシチュって…黒髪だったらあやせとかいるだろ。髪染めさせてまで、なんで桐乃なんだ?」 「あやせは一人っ子だから、そう言う表情出すのって難しいみたいでさ。だからあたしがやんの」 「そう言う事かよ」 さすがは完璧なあたし。これで誤魔化せたはず。 ──そう思ったあたしは、次の自分の言葉に本気で愕然とした。 「そう言うワケだから、あんた彼氏やって」 ちっがーうっての! あたし何言ってるんだ? なんでこいつに…しかも彼氏って!? 「無茶言うな! 俺が兄貴だからつってもモデル経験なんてねーぞ!」 分かってる。だから早く会話打ち切って帰って忘れて! 「違うっての。実際の仕事はあたしだけ、あんたは表情を作る手伝いしろって事」 …きっと今会話してるあたしは誰かに乗り移られてるんだ。きっとそうだって。 「兄妹設定だってのに、1人で撮るのか?」 「当たり前じゃん。相手役なんていたらあたしが受ける訳ないっての」 何言ってんのこいつ。なんであたしが他の誰かとカップルっぽい写真撮らなきゃなんないの。 この部分だけは超同意する。 「仕事じゃねえのか? なんで受けないんだよ」 「…うっさいバカ」 なんでこいつってこう鈍感なんだろう…って何に対して鈍感なんだろう。もうワケわかんないよ! でもあたしの本音ってなんだろう。あたしはこいつが嫌いでこいつもあたしが嫌いで─それって 本当にあたし達の関係なんだろうか。なんかあたしは根本的に何か勘違いしてるんじゃないのかな。 実はこいつはあたしの事が大好きで、あたしもこいつが大好き─なんてある訳ない! ……でも、やっぱり知りたいのかな。こいつの気持ち。そしてあたしの気持ちも。 もうここまで訳分かんないコト言っちゃったし、これ以上何言っても仕方ないかんね! 今のあたしはあたしじゃない! だから何言ってもあたしじゃないんだから…。 「んで、俺はどうすればいいんだ?」 あたしは今思っている素直な気持ちを言葉に出す。 「あんた、あたしに愛をささやいてみて」 あたしの言葉に盛大に吹く京介。うっさい!もうあたしは吹っ切れてるんだから。 「ま、待て! さすがにそれはマズイだろ!? 俺たちは兄妹だぞ?」 「か、勘違いすんなっての! あんたの言葉であ、あたしが表情イメージしなきゃなんないの!」 ハズカシイのは分かってるっつーの! つかあたしがここまで言ってやってんだから、ちゃんと言いなさいよ! 「じゃ、じゃ行くぞ?」 「かかってこいっての!」 ふん!何言われても動揺なんてしないかんね。 「桐乃……お前が好きだ」 「ふぇ!? あ、ああああのそそその」 こ、この…! 超動揺してるあたし。こいつやっぱりあたしが大好きなんじゃ? ううん違う。これはあたしに言われてやった事だし本音じゃないハズ。 でもやばい。顔がきっと超真っ赤だ。なんかメチャクチャ顔が熱い。 「今のじゃ駄目か?」 「ま、まだなんか足りない」 きっと今のは本音じゃないしっ!まだ心がこもってない。だから本音じゃない…と思う。 やっぱり好きなんて事ある訳ないよね。あたしの思い過ごしだって。 「俺の瞳には、お前しか映ってないんだぜ?」 「…あんたそれ、今返してくれたエロゲのセリフまんまでしょ」 ありがとう。あんたのお陰でちょっと冷静になれた。 じゃなくてエロゲのセリフ転用するなっつーのこのバカ。だからモテないんだって。 そりゃあのセリフも好きだけど、もっとさあ、うっとりするシチュで言えばいいのに ─またあたし違う世界に飛びそうになってるし。そんなシチュでも心が動くハズないってば…。 「桐乃…」 京介はあたしの両肩を手で掴んできた。な…こんどは何するつもり!? 言葉でダメならセクハラって魂胆じゃないよね?でも、イヤラシくない…。 けどこいつの事だから超可愛いあたしを押し倒して…じゃない何考えてんの!? 「あ、あんた何を…」 京介に押し倒されてもおかしくない雰囲気の中、あたしはそれでも動けないでいた。 まさか…あたしが望んで…? ありえない! こいつとなんて─ありえないはず。 数瞬──数分にも感じる時間の間、あたしは京介と見つめあう。 そしてあたしはあの時の、モヤモヤしていた心の答えに──たどり着いてしまった。 『あたしは京介が好きなんだ』 まるであたしの心を見透かしたかのように、京介は──あたしにささやいた。 「お前を……誰よりも愛している」 「……!?」ガタンッ! そうなんだ…あたしはずっと──何年も前から京介の事が好きだったんだ。 だから京介が誰かとイチャつくのが凄く嫌だったんだ。 まるで大切な何かを見つめているかのような表情であたしを見つめる京介。 だめだ…もうあたしも我慢できないよ。あたしの事が嫌いでも構わない。 ──それでも 「あ、あたしもあんたの事………し、てるから」 あたしはこう返すのが精いっぱいだった。 心がいっぱいいっぱいになって、それ以上何も言えなかったから…。 ──暫くして京介は無言のまま部屋に帰って言った。 でも、扉を閉める際に見えた横顔は、あたしを否定していなかった様に見えた。 あたし凄い事言っちゃったかな。でもあいつもあんな事言ったワケだしお互い様だよね。 ふう。なんだか思いっきり疲れちゃった気がする。 とりあえず寝ちゃおう。明日からはまた同じかもしれない。また喧嘩の毎日かもしれない。 でもあたしにとって、一番大切な気持ちが分かったから…。 ─いつかこの気持ちを伝える時が来るんだろうか。その時あいつは─京介はどう応えるんだろうか。 願わくば…ううん、今からそんなの悩んでも仕方ないか。あたしはあたし、京介は京介なんだから。 それでもあたしは…どんな時でも京介の事が好きでいてやるんだから! □ …う……ん。なんだろう、あたしのベッドに誰かいる…? まさか京介…?でもなんか…。 …まいっか、きっと夢だから…。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1578.html
481 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/02(火) 12 42 38.29 ID DMYJEJXbO きりりんがTwitterで京介の名言を叫んでる件 482 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/02(火) 13 00 25.87 ID 5F/pfsn00 桐乃「いいケツしてやがるぜ!!!」 483 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/02(火) 13 33 39.97 ID sBoCArDV0 桐乃「………京介、あんたウンコ食うの?」 484 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/02(火) 14 06 49.58 ID sNUTsEbt0 桐乃「御鏡さん?まぁあたしの知る限り、兄貴を除けば一番の器量よしだねー」 485 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/02(火) 14 57 11.69 ID ezKO+AeP0 なに?京介がいないと寂しくて死んじゃうって? 486 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/02(火) 15 01 09.38 ID QqrnF3RXO 桐乃「ふーん、別に?ただぁ、せなちーの言ってることはちょっと違うなーって。うちの兄貴のほうが断然可愛いっつーの」 487 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/02(火) 15 40 47.96 ID DeEsRUPp0 カオスww 489 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/02(火) 16 25 55.54 ID RZ59p3Ie0 桐乃「高坂京介がベッドの下を漁るのは117がめ」 ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/951.html
掲載順 SS 一覧 61~70スレ 61スレ目 高坂ファミリーズうへぇの会:61スレ目31-32 カオス系:加,他 414:61スレ目414-420/小ネタ ※専ブラネタ 得票数:61スレ目509-510 日常系:桐,黒,沙 その時はもっと:61スレ目890 甘々系:桐,京 ねっちゅうしょうにはご注意を:61スレ目608-610 甘々系:桐,京 チューペットアイス:61スレ目889 甘々系:桐,京 高坂兄妹+チューペット=うへぇ:61スレ目921-922 甘々系:桐,京 62スレ目スレタイ案まとめ:61スレ目962/小ネタ 62スレ目 キケンな匂い:62スレ目70 くんか甘々系:桐,京 あたしのお兄ちゃんはかっこよくてたよりになって、えっと…:62スレ目128 ろりりん系:桐,京 キッチンはピンク色:62スレ目158,161/小ネタ集 食べさせてやるから!:62スレ目217-218,228,233/小ネタ集 プロフィール:62スレ目244 ニヤニヤ系:桐,京 うへぇノート:62スレ目563,590/小ネタ ふたりと扇風機:62スレ目692-693/小ネタ集 KとKとK:62スレ目702,706,708,710,713,715,750/小ネタ集 メルルのうちわと悪くない報酬:62スレ目711/小ネタ 扇風機でクンカ:62スレ目720/小ネタ ふたつのうちわの使い方:62スレ目724-725 ろりりん系:桐,京 63スレ目スレタイ案まとめ:62スレ目956/小ネタ 1000で完成:62スレ目988-1000/小ネタ 63スレ目 3DS:63スレ目153-154/小ネタ ※63スレ目126の流れから 白い液体:63スレ目280,296,305/小ネタ集 あ~ん:63スレ目313/小ネタ 埋められちゃう基準:63スレ目353/小ネタ 中出中継進行!:63スレ目719/小ネタ 特技は妹とありますが?:63スレ目750,753-754,761/小ネタ集 ※イオナズンコピペネタ 魅力的な彼女の魅力:63スレ目804 ※挿絵付き 甘々系:桐,京 きりりん枕:63スレ目830/小ネタ 子猫はいつも見ています:63スレ目842 甘々系:桐,京,他,オリ 64スレ目 ラブ注入:64スレ目16/小ネタ ジェイソン危機一髪 天使からの逃亡:64スレ目21,32/小ネタ集 BRACOLOID-ブラコロイド-:64スレ目204-206 甘々系:桐,京,沙,黒 「・愛している桐乃」:64スレ目228 ※携帯アドレス帳ネタ 日常系:桐,京,麻 「・I Love 桐乃」:64スレ目418 ※携帯アドレス帳ネタ 日常系:桐,京 きりりん 一番搾り:64スレ目442 変態系:桐,京 大きいから:64スレ目457 変態系:桐,京 大好物:64スレ目467-469 ※挿絵付き 甘々系:桐,京 続きはまたいつか:64スレ目504-505 甘々系:桐,京,大,佳 そんな8月2日のこと:64スレ目512 甘々系:桐,京 パンツの日が悪い:64スレ目547/小ネタ 高坂邸殺人事件:64スレ目589 ※誰も死にません ミステリー系:桐,京,沙,黒,あ,加 アカギ:64スレ目631/小ネタ 桐,京,浩,瀬 ハチミツの日:64スレ目646/小ネタ 桐,京,佳,大 箸の日:64スレ目832 日常系:桐,京,佳,大,浩,瀬 ガクブル:64スレ目919/小ネタ 桐,京 65スレ目 タクシーの日:65スレ目75 日常系:他,オリ ギュッのミニAA:65スレ目10,91-92,94,96-97,99-100/小ネタ集 ハンサムの日:65スレ目204 ※多少のメタ要素あり 日常系:桐,京,あ,加,浩,他 影送り:65スレ目261-262 :桐,京 真夏の祭典:65スレ目370 ※高坂兄妹の子供たち登場の未来のお話 日常系:桐,京,オリ あの日見たウェディングドレス:65スレ目481 微せつな系:桐,京,あ,加 ぶりっ子:65スレ目702 日常系:桐,京,他 妹のぱんつなんて絶対盗んでないんだからなっ!:65スレ目732 変態系:桐,京,加 そば:65スレ目882 甘々系:桐,京 66スレ目 かなかな警報機ログ:66スレ目27-28/小ネタ ぷちぷちぷちぷち:66スレ目42-43 ニヤニヤ系:桐,京 大介パパ:66スレ目97-98 日常系:桐,京,佳,大 妹にハグしてみた:66スレ目130 ニヤニヤ系:桐,京 シスコン強化のツボ:66スレ目214 ニヤニヤ系:桐,京 ハートとルージュ:66スレ目450-451 甘々系:桐,京,佳 ガンバレ:66スレ目635-637 ※挿絵付き 日常系:桐,京 加奈子の禁煙生活~桐乃の嫌煙~:66スレ目846 日常系:桐,あ,加 67スレ目スレタイ案まとめ:66スレ目967/小ネタ 67スレ目 幸せの配布:67スレ目47 ニヤニヤ系:桐,京,沙,黒 左手のしりとり:67スレ目207-209 ニヤニヤ系:桐,京 専売特許:67スレ目428 ニヤニヤ系:桐,京 彼氏彼女の関係?:67スレ目443 甘々系:桐,京 あやせと桐乃のお泊り会:67スレ目662 日常系:桐,あ,他 パイナップルの効能:67スレ目918 日常系:桐,京,佳,大 68スレ目 初めて会った時:68スレ目31-32 日常系:桐,京,佳 お米の日のお話:68スレ目254 日常系:桐,京,佳 2うへぇ:68スレ目270-271 甘々系:桐,京 「ふ」:68スレ目287,289-296,299/小ネタ集 ※微エロ ヘアピン:68スレ目295 ろりりん系:桐,京 ろりすけ:68スレ目299,302-309,313/小ネタ集 俳句(819)の日:68スレ目383,他多数/小ネタ集 俺妹俳句大会:68スレ目453 ※挿絵付き 俳句ネタ:桐,京,大,沙,黒,あ,加,浩,瀬 詠み人、くんかたん:68スレ目457/小ネタ 俳句ネタ:桐,京,加 あやせたんに捧げるSS:68スレ目469-473,475,486/小ネタ集 日常系:桐,あ バイクに乗って:68スレ目500-502 日常系:桐,京,あ 音か匂いか繋がりか:68スレ目687/小ネタ 日常系:桐,京 りんちゃん可愛いよりんちゃん:68スレ目733,734,742/小ネタ集 69:68スレ目787-789,793,804/小ネタ集 ※微エロ? だっこ:68スレ目812 ※挿絵付き ハニー?な兄妹:68スレ目852 ネタバレ:68スレ目857/小ネタ ※サンデー掲載漫画のネタバレ有り 御神籤:68スレ目912/小ネタ 69スレ目 8月22日:69スレ目218/小ネタ きりりん予報:69スレ目331/小ネタ 夏の終わり:69スレ目342-344 とある平行世界の夏の一夜:69スレ目367 俺妹幼稚園の日常:69スレ目418,421,422,424,427,431-433,439,444,446,447,467-468/小ネタ集+SS ※挿絵付き 桐乃と花火の記憶:69スレ目476 仲良く・・・:69スレ目500,507-509/小ネタ集 酔いきりりん:69スレ目518-520 待ち受けは兄貴の写真:69スレ目544,559,564,579/小ネタ集 高坂京介、部長への告白:69スレ目551 「うへぇ」現象:69スレ目743,774,776,780,782,788/小ネタ集 満面の笑顔:69スレ目784,798,804/小ネタ集 双子の卵:69スレ目794/小ネタ シスコン世界陸上:69スレ目885 俺妹幼稚園の日常 その後:69スレ目880,893/小ネタ 京介のバナナと桐乃のプリン:69スレ目920-921 日常系:桐,京,大,あ 同棲生活の始まり:69スレ目958/小ネタ 70スレ目 二回のキス:70スレ目86,113/小ネタ フライング:70スレ目657 甘々系:桐,京 四年後に見る麗しの君:70スレ目840 甘々系:桐,京,麻,あ,加,他 ハッピーサンシャインデー:70スレ目871 日常系:桐,京 目覚ましのキス:70スレ目913-916/小ネタ集 プロポーズ始球式:70スレ目905,931 ※70スレ目905からのSS スポコン系:桐,京,大
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1002.html
204 名前:【SS】ハンサムの日[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 09 28 51.33 ID J72IJP9rO 浩平「最近、毎日の記念日をお祝いするのが流行ってるそうだぞ」 開口一番、目の前の友人が理解不能な日本語で話しかけてきた。 京介「意味が分かんねぇよ。まずは言葉を正せ、赤城。話はそれからだ」 高坂「相変わらず俺に冷たいな高坂。いいか、つまりは……」 赤城の話を要約すると、ここ最近若い子達の間では、暦上で制定されているあまり有名ではない記念日を一日一日調べて、「今日は ○○の日だから△△~」と、面白おかしく話すのが、ちょっとしたブームになっているという。 京介「何だよそれ?別に楽しいとも思えなんだが……」 赤城「身も蓋もない言葉だな、おい」 みんなの流行りを全否定してしまうが、それが俺の素直な感想だった。 だって、そうだろ?記念日とかって、一年に一度しかないからめでたいのであって、毎日がお祝いになってしまったら記念日が持つ 『ありがたみ』というものが薄れてしまう。 確かに考えようによっては、嬉しい事が毎日続けば、最高にハッピー!というポジティブ思考も良いとは思うが、俺みたいな人間か らすると価値観が違う。 ひねくれ者と笑わば笑え。価値観は人それぞれだろうよ。 赤城「あっ、ちなみにこの前の8月2日はパンツの日だったんだぞ」 高坂「別に記念日じゃねぇだろ、それ!!」 どうやら「記念日」という表現に語弊があったらしい。間違ってはいないのかもしれないが、俺の記念日の認識とは少し違っていた 。 要は、今日は何の日?という話題で盛り上がるだけじゃないか。少し真面目に考えかけていた自分が恥ずかしいぜ……。 赤城「当日、俺は瀬菜ちゃんにパンツをくれと懇願したんだが、『イナ○レの全カプを高坂先輩と二人で再現しきれたら、考えてあ げる』と言われたんだ」 京介「俺、もうそろそろお前ら兄妹との縁を切るべきかもな」 最早どこからツッコんでいいのかも分からないレベルだ。(ツッコむって、そう意味じゃないよ?) 大体、何で俺まで普通に巻き込んでんだよあの巨乳眼鏡はっ!眼鏡ッ娘だからと甘やかして来たが、そろそろ本格的におっぱいを揉 む必要性があるな。 赤城「おい高坂。今何を考えた?言ってみ?」 いつの間にか目の前には、阿修羅のような形相で赤城が迫っていた。 京介「ナニも考えてねーよ。それより、この前のさ……」 俺はそんなエスパーじみたシスコンをかわしつつ、話題を逸らす。相変わらずコイツの妹への嗅覚は異常だな、おい。 それにしても、『記念日』ねぇ。 もし、誰もがそういう日を持っているのなら、俺が桐乃のエロゲ―を拾ったあの日が、俺達兄妹の記念日なのかもな――。 不意にそんな事を考えてしまった俺は、赤城と同じくらいのシスコンにはなっているようだ。 「って、『妹の日』なんてのもあるのかよ!?」 夕方、帰宅した俺は部屋のベッドに寝転びながら、携帯を弄っていた。 特別興味を持ったわけではないが、今日赤城と話していた記念日の話をふと思い出し、ネットで調べて今に至る、というわけだ。 「これじゃ『兄の日』、なんていうのも……」 当然、あるよね!ですよねー。 というか、『兄の日』と『いい兄さんの日』って2つもあるのっ!? 「違いが、あるというのか……?」 少し待って頂きたい。 これは良い兄、悪い兄と2つに差別化されているわけ?兄とは、全員が慕われているもんじゃないの!? そう思い、日本の兄代表みたいにドヤ顔を作ってはみたが、冷静に考えてみると、俺はとんだ思い違いに気付かされた。 「そうだ。まず俺が桐乃に慕われてない……」 自分の立場を完全に無視していたぜ。そうだよな、兄が絶対的に愛されるわけじゃない。二次元じゃあるまいし。 ここ最近は、まぁ俺も桐乃に「嫌われてはいない」くらいの評価を得ている自負はあるものの、妹モノのエロゲ―のような慕われ方 には程遠い。 くそ!何が悲しくて、兄の差別化を実体験で理解せにゃならんのかっ! ……少し目頭が熱くなった。 佳乃「京介ー、ちょっといい~?」 自分の兄としての非力さを悔やんでいると、ドア越しにお袋の声が聞こえてきた。 佳乃「ちょっとカレー粉切らしちゃって。買ってきてくれる?」 京介「おぅ、分かった」 晩飯まではまだあるし、俺もコンビニに行きたかったので二つ返事で了解した。 っていうか、今日もまたカレーなんですね。そうなんですね。 いつもと変わらない我が家の献立に、少しの安心と寂しさを覚えながら、簡単に身支度を整える。 そして一階に降り、リビングへと移動。するとそこには、制服姿のままソファーに座る桐乃がいた。 京介「おぅ、帰ってたんだ。おかえり」 桐乃「んー。ただいまぁ」 桐乃は俺に目も向けずに返す。視線は手に持ったファッション誌に夢中のようである。 京介「俺、これからコンビニ行ってくるけど、何か欲しいのあるか?」 桐乃「メルルの等身大版権イラストポスター」 京介「コンビニに売ってる範囲内でだよっ!!」 桐乃「……ちっ」 桐乃は、一瞬だけ俺に鋭い視線を向け(俗に云うメンチ切り☆)、すぐさま雑誌に戻す。 やっぱ慕われてるってレベルじゃねーぞ、こんちくしょう!見ろよ、圧倒的じゃないかっ! マイナスの意味でなっ! 京介「はぁ……。まぁ、いいや。ちょっと行ってくる」 桐乃「ハー○ンダッツの苺」 京介「はん?」 桐乃「買ってきて」 リビングを出ようとした矢先に、桐乃の声が耳に届いた。 確認とばかりに振り返ってはみるものの、桐乃は「二度も言わない」とばかりに本を黙読し続けている。 なんちゅうお姫様だよ、ったく。可愛さからして似合いすぎだろ。 京介「了解。ハー○ンな」 姫様の指令を受けた騎士(俺)は、そろそろ旅立ち(買い出し)の時だ。シーユー、マイスイートシスターきりりん。 桐乃「あっ。スーパー○ップに格下げしたら、後で正座だかんね」 京介「スーパー○ップさんディスんなよっ!?ウマいぞアレッ!」 出がけにどうしてそう突っ込みを入れさせるのか、この妹様はっ!せっかくテンション上げてコンビニまで行こうとしてたのに。 桐乃「違うって。今の気分では、ってこと。分かるじゃん、フツー」 桐乃がやっとまともに俺に顔を向けた。が、しかし、その表情たるや……。 (えっ?そんなことも分からないの?)みたいな澄んだ瞳で見つめやがって!! 可愛い、可愛いんだけど、超ムカつくの!!何コレっ!? もの凄く複雑な心境である。可愛さと苛立ちが同じ速度で急上昇しているのだ。 例えるなら、……そう!地獄の○サワっていう人の漫画を見た時の感覚に近い。 見た目は断然、桐乃の方が一億倍は可愛いけどなっ!! 桐乃「……ププッ。京介、顔まっかwwwプフフwww」 桐乃は俺の心境を知ってか、口元を手で押さえながら笑いを抑えている。今にも噴き出しそうだ。 桐乃「ねぇどんな気分?今どんな気分??ねぇねぇ」 殴りてぇ~~~~~!!せめて、引っ叩きてぇ~!!! やはりコイツは、兄をイラつかせる才能を持ち合わせているよ。世界レベル、のな! 何が悔しいって、ただイラつくだけじゃなく、楽しそうにおちょくる桐乃を見ていると、なんか俺まで嬉しくなってきてしまうから タチが悪い。まぁ、いいかと思ってしまう。 ホント、反則だと思うよ。この可愛さが。 京介「フンッ!もういい!付き合い切れんっ!」 本心ではそれほど嫌ではなかったが、いつまでも桐乃と戯れているわけにもいかない。さっさとカレー粉を買ってこなければ、今夜 の夕食にありつけない。 妹との団欒も程々に、いい加減リビングから足を出す。すると、ドアの横にかけられたカレンダーが視界を過ぎった。普段なら別に 気にも留めずスルーするが、この時はちょっとした違和感を感じたので、意識がそちらに向けられた。 京介「……何だこれ?」 その違和感の正体は、すぐに分かった。8月の暦の前半、ちょうど今日の日付の所に、 『京介の日』 と、手書きで書かれていたからだ。 京介「俺の日?なんで??」 この文字が何を示しているのか、見当がつかない。 俺の誕生日は全然違うし、今日俺が何かをするわけでもない。 確かに今日は、学校でも部屋でも『記念日』の事を考えてはいたが、8月6日が何を指すかまでは調べてなかった。 京介「……う~む」 桐乃「エッ?ウソッ!!キヅイタ…!?」 俺が思考を巡らせている後ろで、桐乃が小声で何かを言っている。独り言だろうか? 京介「……あれ?待てよ」 桐乃、で思い出したが、この字、桐乃の字だよな?という事は、これを書いたのは、桐乃か? 京介「なぁ、桐乃。この字って」 桐乃「ふえっ!?な、何?アタシの字だけど、アタシじゃないよ!書いたのは、きりりんだからっ!」 京介「――お前は何を言ってるの?」 慌てふためく桐乃。発言が成り立っていない。きりりんって自分だろうが。 先程とはうって変わって、今度は桐乃が顔を真っ赤に染めている。(←超かわいい) 桐乃「ア、アタシが書いたように見せかけて、実は……アタシが書いたのよっ!」 京介「じゃあ、お前じゃん」 桐乃「えっ。……ハッ!!」 俺さ、前から思ってたんだけど、ウチの妹って実は結構おバカなんじゃないのかなぁ。過去の例から見ても、桐乃は抜けている所が ある。 中でも動揺した時の墓穴の掘り方は、見事なまでの腕前だ。 それも良さ、とも言えるが、兄としては少し不安にもなるぞ。大丈夫か、これで……。 まったく。これじゃ今しばらくは、桐乃から目が離せないな。 京介「よし。まずは落ち着け、桐乃。お前が何に慌てているのか分からないが――」 桐乃「ふぇ?」 京介「それ以前に、俺は何も気付いていないぞ」 桐乃「……は?」 桐乃を落ち着かせるため、俺はそう言ってやった。すると桐乃は、ぽかんと口を開けて呆けてしまう。 京介「いいか。まず、このカレンダーに『京介の日』と書き込んだのは、桐乃だろ?」 桐乃「……うん」 京介「OK、それなら次の疑問だが、この『京介の日』について、だ。どう考えても、今日の日付と俺とが、何一つ連想できんっ! 」 カレンダーを指さし、必死に今日という日を頭に巡らしてはみるが、やはり自分と結びつく答えが出てこない。 なぞなぞは得意じゃないからな。そういった方面なら、自力で当てるのは結構厳しいぞ。 桐乃「……」 桐乃はというと、さっきまでの動揺も落ち着いたのか、俺をジッと見つめている。 本当に表情豊かなヤツだ。 ……今向けられている視線がジト目なのが、少し気になるけどね。 桐乃「じゃあ、アンタ。何も分かってないの……?」 京介「自慢じゃないが、そうだ!」 ここぞとばかりに胸を張る俺。だって分かんないんだもん。 桐乃「(フルフル……)」 京介「エヘヘ。で、答えは何の日ー?」 桐乃「教えないわよ、このバカ~!!」 (ドゲシッ!!) 京介「どごぉ!」 脚色無しに、良い蹴り持ってやがると感じさせる一打が腹に入る。 (桐乃が、あやせたんレベル……だと!?) いつか天使から貰った激しいプレゼントを思い出しながら、俺は転がった。 そして俺はそのまま、妹の赤面キックの勢いで家を追い出された。 「イテテ、桐乃のヤツ、本気で蹴りやがって……」 DV相談所とかってあったよな?俺もそろろ、そこに電話するべきかもしれない。 コンビニに足を向けながら、暴れん坊妹の行く末を案じていた。というか、俺の未来も案じるね。 だってそうだろ?、今回の事だって、桐乃が勝手にカレンダーに書いて、それを俺が見て、というだけの話さ。 それなのに、俺が腹部に痛みを残すだけの結末とは、これ如何に。 兄とは、妹の気まぐれに翻弄されるだけの存在だというのかっ!? 腹をさすりながら、そんな事を考えていると 「……ん?」 携帯の画面に、先程の俺の疑問を晴らしてくれる答えが映し出された。 桐乃の気まぐれとはいえ、カレンダーに自分の日!と書かれていたのだから、何かあると思うのは人としての必定。 なので、部屋で携帯を触っていた時の履歴が残っていたので、そのまま「8月6日」が何の記念日かと調べていたのだ。 すると――、 「……コレか」 思いの外、早く答えは出てくれた。 World Wide Webの日、太陽熱発電の日……と色々あるが、俺とちょっとした繋がりがある日を見つけたので、自ずと答えは導かれた 。 それは、『ハムの日』。 8(ハ)と6(ム)で、ハムの日らしいが、これが高坂京介と何の関係があるのか。おそらく誰もが感じる疑問点だろう。 だが、ここには盲点をついた関連性があるのだっ! それは、少し前の話――。 桐乃「アンタ、コレ見なさい」 京介「?DVDか?」 桐乃「コレマジ名作だから。絶対見た方が良い、ていうか、見なきゃ許さない」 京介「あぁ、いつも通りなんですね……。って、コレ『ガソダム』シリーズじゃねぇか!」 桐乃「そっ」 ――『ガソダム』 それは説明が不要なほど、知名度が高い超名作アニメシリーズである。ヲタクは言うに及ばず、ノン気の皆さんも多少は知っている 位の人気作品だ。 桐乃「で、その中でも最新TVシリーズがこの『QQ』ってわけ」 京介「あぁ、確か『ダブルキュー』っていうんだよな」 桐乃「何?アンタ知ってるの?」 京介「沙織がさ、『ここ最近のガソダムシリーズの中では、会心の出来でござるっ!@ω@』って力説してたから、ちょっと調べた 時があってよ」 桐乃「ふ~ん。じゃあ、キャラももう分かってる?」 京介「いや、実際に本編までは見てないんだわ。だから全然分からん」 桐乃「!!じゃあ、このキャラ!このキャラに注目して観なさいっ!」 京介「わわっ、ち、近ぇーよ顔が!!……って、この金髪の男キャラか?」 桐乃「そ。名前はロリハムさんね。マジ神キャラだから!!」 京介「……注目しなさいよね、か」 そういって桐乃に全部見せられたっけな、『QQ』。 実際、ストーリーもよく構成されていて、桐乃のオススメ無しでもハマった作品だ。 壮大な話でありながら、キャラクタ―も掘り下げられている。人気があるのも納得だな。 ただ、ロリハムについてなんだが。 あのキャラは、いろんな意味で凄かったな……。 一見クールそうに登場してきたが、実は妙に熱い一面を持ってはいるんだよ。そしてそれは、こと「ロリキャラ」に対してのみ特別 強く表れるという、ね。 すっごい紳士さんだった。 赤いランドセルを背負った女の子を前に、「センチメンタリズムな運命」とか言っちゃうんだぜ? 現実世界なら完全にセクシャル・ハラスメントな運命だよ、それ。 しかし、それでも格好良く見えてしまうという不思議な魅力を持ったキャラだったな、ロリハムさん。 ああはなりたくないけど。 桐乃曰く、「これは演じている声優さんがマジパない!だからキャラが魅力的になった」との事だが、確かにそれは頷けた。 アニメを見ている時、何度も惹きこまれたのは、声優さんの実力があったからだと思う。 素人目の俺でもそう感じたくらいだ。目が肥えたファンからも支持を受けたのは、そういう裏付けがあるからだろうよ。 まぁ、そんなロリハムさんだが、実は俺と共通する点が一つだけあったのだ。 それは、「声」。 桐乃も沙織も黒猫も、「声だけは似てる」と太鼓判を押すほどに、俺の声はロリハムさん、ひいては演じている声優さんにそっくり だという。 確かに自分の声に似ているのは否定しないが、如何せん自分の声というものは自分ではよく聞こえないからな。いまいちピンと来な いんだよね。 それならマスケラのコスの方が似て……、一瞬そんな記憶が頭を過ぎったが、思い出すと泣いちゃいそうなので止めておく。 つまりは、俺とロリハムさんには「声」という共通項目があったりするのだ。 「ん~。しかし、それだけでハムの日=京介の日、ねぇ」 本題に意識を戻すが、答えが見つかったわりには、俺は消化不良な気持ちのままでいた。 おそらく、答えはこれで合っている。合っているはずだ。 でも、拭い切れないこの後味の悪さ。 考え方一つでどうとでもなるんだが、このスッキリしない感じは何とも言えず不愉快だ。 「……まぁ、どうせ沙織がガソダム好きとして、俺を推してくれたってところかな」 あの人の良い友人のことだ。俺と桐乃に、少しでも多く関連性を見つけようと気を遣ってくれたのかもしれないな。 ホント、いつも頭が下がるよアイツには。 「とりあえずそういう結論で、よしとするかっ!」 俺は携帯を閉じ、半ば無理矢理にモヤモヤを振り切った。 そしていつの間にか止まっていた足を、目的地のコンビニへ向けて少し速めに踏み出す。 理由はどうにせよ、今日が俺と桐乃の、そして「俺達の」記念日っていうんだから、嬉しくないわけがない。 俺達にしか分からない、俺達だけの『記念日』――。 それなら今日が特別で、「8月6日は京介の日!」と、言っちゃってもいいよな! 「へへ……」 そんな事を思ってみたら、俺は無意識に笑みを零していた。 ~翌日~ 桐乃「でさぁー、あのバカ、字だけでアタシって気付いちゃってぇ。マジキモいシスコンだよねぇ~(ニヤニヤ)」 あやせ「アハハッ、ホントだね~(お兄さん、またレベルが上がってるっ!?)」 加奈子「でもよ~。キリノってば何でそんなラクガキしたんだ~?」 桐乃「えっ!?……そ、それは……」 あやせ「確かにそうだね。桐乃、どうして?」 桐乃「あ、あの、それは……」 加奈子「ゼッテー何かあんだろ~?アヤシ~★」 桐乃「……!そ、そう、ハムの日だから!アイツ、ハム好きだし、とりあえず書いておこうって、思って……」 あやせ「 ● ● 」 桐乃「うっ!?……あ、あやせ?」 あやせ「桐乃……。本当は、なんで、書いたの?」 桐乃「う、う~!!そ、それは……///」 加奈子「あっ、コレだ~!!」 桐・あ「「えっ!?」」 加奈子「ハンサムの日、だってよ~!キリノマジブラコンじゃ~ん♪」 <携帯> 『8月6日=(ハ)ンサ(ム)の日』 あやせ「なん……だと……?」 加奈子「とかっつって~。無い無い無いっ!!いくらブラコンでも、これは無いって!な~、キリノ~?」 桐乃「………(プイッ!)」 加奈子「……あれ?マジ、だったの……?」 あ・加「「8.6うへぇ」」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/126.html
767 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 00 59 58 ID rt8ttSUW0 あぁ、京介自身が桐乃への恋心に気づいて悩み苦しむ展開来ないかな 桐乃ばっかりくるしんでちゃ不公平だと思うんだ 778 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 02 18 57 ID 4d9qsmam0 [3/3] 767 まさか桐乃のやつ、俺の事が好きなのか…? ま、待て!待て待て! お、俺たちは兄妹なんだぞ…? 兄妹で恋愛ってのはおまえ…やっぱまずいだろ? ほ、ほら! 近親ってのは遺伝的にまずいって言うし、なにより俺があやせに殺されちまう… って! な、なに考えてんだ俺はあぁぁ~~~~!? あ、ありえないだろ!? 俺と桐乃があーなってこーなって、子、子供とか… ってそうじゃないだろ! 高坂京介!おまえは桐乃の兄!兄なんだぞ!? で、でも、もし!もしもだ! 桐乃のやつが、せ、せまってきたりしたらお、俺は… あいつ、まだガキのくせにスタイルよくてメ、メチャクチャかわいいんだよな… うぉぉ~!お、俺はどうすればいいんだぁー!!(頭抱えてベッドでゴロゴロ) ガチャッ 「ちょっとあんたさっきから何ぶつぶつ言ってんの? 超ウザいんだけど?」 「ききき桐乃! ち、違うんだこれは!」 「はぁ? ワケわかんない念仏つぶやいてないで黙れってんのが聞こえないの? ゲームの邪魔だから静かにしてよね!」 「ま、待ってくれ!きり」 バタンッ 「………俺、もしかして桐乃に嫌われた? おおお俺のバカヤロウーーー!!」 「壁薄いんだから全部聞こえてるってのあのばか兄貴。頭抱えたいのはこっちだっつーの。 あんたにあたしの気持ちが伝えられたらどんなに…。でもあたしたち兄妹なんだよ…?」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1751.html
983 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/07/15(月) 20 26 50.91 ID 7TWLNG9C0 俺、高坂京介は現在―――人生最大のピンチを迎えている。 『なんだ、いつものことじゃねーか』というツッコミが聞こえてきた気がするが、今回のピンチはいままでの比じゃない。 例えるなら、そうだな……昔、桐乃のために親父と対決した時よりも、あやせと対決した時よりも、卒業式の日に麻奈実と対決した時よりも――ずっとヤバイ。 いまの例えで俺がどれだけ危険な状況に立たされているかがわかってもらえたと思う。 『へへっ……こりゃあ――土下座じゃ済まねぇだろうな』 さて……さっそく物語を語っていきたいところだが、この人生最大級にヤバイ話をする前に俺がいまどんな生活を送っているのか少し説明しておこう。 数年前の春――俺は高校を卒業し、大学生になった。 季節が巡るのは早いもので、今年ももうすぐクリスマスがやってくる。 大学に通い始めて、周りの人間関係や生活環境にも変化が訪れた。 変わったものの一例を挙げると、俺がいま寝床にしているのは自分の部屋のベッドではない。 覚えてるやつもいるかもしれないが、俺は大学受験前の秋――とある理由で数ヶ月の間一人暮らしをさせられたことがある。 今年の春、俺はとある理由により一人暮らしすることを決心し、現在はその時のアパートに住んでいるというわけだ。 そして―――桐乃との関係にも、少し変化がある。 俺の妹は、来年受験を控える高校三年生。 女子高生となった桐乃の美貌はとどまることを知らず、まさしく女神と言っても過言ではない。 街を歩けば誰もが振り返り、並んで歩けば嫉妬の目を向けられる。ぶっちゃけ超美人。 そんな可愛い妹が、俺のために甲斐甲斐しく通い妻をしてくれている。簡単にいうと半同棲状態だ。 天国のように思えるだろ?俺もさ…………最初はそう思ってたんだよ。 だけど、あいつの目的は俺の世話をするだけじゃなかったのさ。 ああ……くそっ、思い出したらムカついてきたぜ…………! 悪いけど、少しだけその時の話をさせてくれ。 ※ ―――俺が一人暮らしを始めてから、ひと月ほど経ったある日。 「おい桐乃、なんだそれは」 「え?フィギュアだけど?」 「いや、それは見ればわかる」 「じゃあなによ?他に聞きたいことでもあるの?」 愛しの妹が晩飯の材料をぶら下げて俺の家にやってきたのは、夕方を少し回った頃だった。 平日は学校が終わってから来るので、いつもこのくらいの時間になる。 だがしかし、今日は晩飯の材料だけじゃなく、異様な物体を大量の紙袋に入れて持ってきてやがる。 ……こいつ……まさか。 「そうだな……では、あえて聞いてやる。なぜそれを持ってきた?」 「あんたの部屋に飾るために決まってんじゃーん!」 「断る!」 「えー!?せっかく持ってきたのにぃ……ひどくない?」 「……聞くのも恐ろしいが、俺の部屋はいったいどうなってるんだ……?」 「もち、妹天国になってるよ!」 「そんなこったろうと思ったわ!」 軽く目眩がして目頭を押さえる俺。 かつて、俺の部屋だった場所は、妹の手により魔改造の餌食になってしまったらしい……。 部屋の大きさは変わらないのに、エロゲーやらモノは増える一方なもんで、当然いつかは納まりきらなくなる。 実際、俺が高校三年の頃から、俺の部屋も徐々にフィギュアやエロゲーに侵食されてたからな。 簡単に説明すると『桐乃がブツを俺の部屋に持ってくる代わりに、俺の部屋から衣類を持っていく』 ――とまあ、こんな感じの理不尽な物々交換を何度もさせられたのだ。 しかし、まさか……実家の俺の部屋だけでは飽き足らず、俺のアパートまでをも魔改造しようと企んでいるとは……。 ……さすがにこれはハッキリと言っておくべきだな……そう思って、俺は顔を上げる。 「あのな、桐乃――って、おいッ!」 「えっ?どうしたの?」 「おまえなに、しれっとフィギュア配置してんの!?」 「エヘ?」 「…………」 「えとっ……ダメ?」 くそっ……あざとい!実にあざとい!それは反則だろう! 断固反対するつもりだったのに、こんな可愛い仕草を見せられたら俺に勝ち目があるはずもなく――― 「……今回だけだからな」 「えへへ……サンキュ」 ――結局、妹と二人でフィギュアを並べる俺なのであった。 「よし、今日はこんなもんかなぁ~」 「おい桐乃、おまえいま『今日は』っつったか?」 「え、言ってないよ?」 「……いや、たしかにそう聞こえたんだが」 「気のせい気のせい、細かいこと気にすんなっつーの!」 「まあ、気のせいならいいんだけどよ」 あまり物の入ってない本棚に、妹フィギュアがズラリと陳列された。 部屋の一角だけが完全に異空間である。 「さてと、そろそろ晩ご飯作るね」 「なに作ってくれんの?」 「今日はハンバーグだよ。どう?うれしいっしょ?」 「ふふんっ!」と、胸を張る桐乃。……おおっ、揺れてる。 つつましく揺れる妹の胸を見ながら、俺はこう言った。 「今日は肉か、楽しみだな」 「……なーんか目つきがエロいんですケド……」 「んなことねーって、気のせい気のせい」 「ふうん……まあ、いいけど」 そう言い残し、台所へと向かう桐乃。 かつては地獄のようなマズさだった桐乃の料理も、この数年で鍛え上げられ、いまやプロ級といってもいいだろう。 味付け自体は違うが、麻奈実と比べても遜色ない―――いや、もしかしたら麻奈実以上かもしれん。 桐乃の手料理は、実家に住んでる頃から俺が毎日心待ちにしている楽しみのひとつだ。 「――――♪」 「…………」 ケツを振りながら下ごしらえをしているエプロン姿の桐乃を見ていて、最近いつも思うことがある。 ―――なんで裸エプロンじゃないんだろう? …………いやいや!言っとくけど、別に俺が変態的な趣味を持っているわけじゃないぞ! これには深いわけがあってだな……以前、桐乃が押し付けてきたエロゲー『おしかけ妹妻~禁断の二人暮らし~』を覚えているだろうか? 俺がアパートに引っ越した時に、そのおしかけ妹妻の続編を桐乃に無理矢理押し付けられたわけですよ。 んで、とりあえず一回くらいはプレイしとかないとうるせえからさ、渋々やったんだよね。 そしたらそのエロゲーのシチュエーションに―――裸エプロンがあったってわけだ。 「ふん――ふふーん♪」 「…………」 …………男なら、期待せずにはいられないだろ? 「?どうしたの京介?」 「気にするな」 「いや、後ろに立たれてると気になるんですケド……」 「なら、しゃがんどけばいいか?」 「そーいう問題じゃないから。てか、さっきからどこ見てるわけ?」 「ケツ」 「は、はあ――ッッ!?」 桐乃の顔が一瞬で真っ赤に茹で上がる。 あいかわらずウブな俺の妹である。ったく、ケツ見られたぐらいで大げさなやつだぜ。 「うーん、やっぱいいケツしてるよなおまえ」 「き、キモッ!マジキンモーッ!勝手に人のお尻見んなぁっ!」 「てことは、許可を取れば見てていいんスかね?」 「いいわけないでしょ!てゆーか、今日のアンタはいつにも増してエロすぎ!いったいなんなの?」 「ふっ、よくぞ聞いてくれたな、桐乃。俺がいつもよりエロいのには理由がある」 「うわっ、自覚あるんだ……嫌な予感しかしない……」 腕で身体を抱く仕草をする妹。 そんなに身構えなくていいのに。まるで俺が変質者みたいじゃないか。 「まあ、聞けよ。おまえがこの前貸してきたエロゲーを覚えてるだろう」 「えと……妹妻の続編のこと?」 「その通り!おまえも知っているだろう……あのエロゲーにとんでもないシチュエーションがあったことをな!」 「………………はっ!」 「どうやら、俺の言いたいことが理解できたようだな」 「し、しんない!……全然わかんないっ!」 むっ……こいつ、シラを切るつもりのようだ。 こうなったら仕方ない、ハッキリと言ってやるか。 「なら教えてやろう。おまえはなぜ、裸エプロンにならないんだ?」 「あ、あんな格好……あたしがするわけないっしょ?ったく……なに期待してるんだか……」 「あれ?おまえが俺にエロゲーをやらせる時はそういうシチュをしたいからじゃなかったの?」 「そんなわけあるかぁ―――っ!このヘンタイ!」 ――それからしばらく食い下がってみたものの、桐乃が裸エプロンになってくれることはなかった。 健闘むなしく俺は台所から追い出され、おとなしく勉強をさせられている。 おかしいなあ……こいつはそういう願望をエロゲーを通じて俺に伝えてきてると思うんだけど、照れてんのかな? ……仕方ないから今日のところは一旦引き下がってやるが、俺は諦めたわけじゃないからな。 そのうち絶対に裸エプロンを装備させてやるぜ!ククク――覚悟しておけよ桐乃! 勉強そっちの気でそんな妄想をしてると、桐乃が声をかけてくる。 「お待たせ。ご飯できたよ」 「おっ、待ってました!」 テーブルに並べられる妹の手作りハンバーグと味噌汁。 食欲をそそる美味そうな匂いが漂っている。 「美味そうだなあ、桐乃の手ごねハンバーグ」 「言い方がキモいっての……そこは手作りって言ってくれない?」 「じゃあ、桐乃の手作りハンバーグいただきまーす」 「はいはい、めしあがれ」 俺は桐乃の手ごねハンバーグをパクッと一口ほおばる。 「どう?」 「うめぇーっ!」 「へへっ……よかったぁ」 「美味い美味い、お袋のハンバーグとは別物だな。なんかコツでもあんの?」 「うん、いろいろあるんだけど、一番の秘訣はすりおろしたジャガイモを入れてるところかなあ」 「へぇー……凝ってんだな」 素直に感心してしまう。 苦手だったはずの料理も、いまや得意分野のひとつとして腕を磨いている桐乃。 誰のために――なんて、今さら俺が口にするわけもない。 「まあね。こう見えて、いちおー頑張ってますから」 「まったく、自慢の妹だよおまえは」 「ありがと」 駆け出しの妹妻としては、十分すぎるスキルを備えている俺の妹であった。 ―――食後、俺が風呂から上がると桐乃が誰かと電話していた。 俺はそばに座り、電話が終わるのを待つ。話の内容からすると、相手は親父か? やがて会話が終わり、桐乃はスマホを操作し通話を終える。そして、頬を染めながらこんなことを言い出した。 「ねぇ、今日泊まってもいい?」 「……なっ!?え……ま、マジで?」 「なに?まさか、イヤなわけ?」 「い、いやいや!そういう問題じゃなくて!」 しれっと、とんでもないことを言いやがった!……俺のアパートに布団は一式しかないわけですよ? これが、どういうことを示しているのか――俺が動揺している意味をわかっていただけるだろう。 「なによ、なにか問題ある?」 「……いや、おまえが帰ってこないと親父たちが心配するんじゃないかなぁ……って、思ったんだが」 「それなら大丈夫。いま電話でお父さんに確認したらオッケーだって」 まさかさっきの電話がお泊りの確認だったとは……!読めなかった……この俺の目をもってしても! しかし、親父が俺の家にお泊りを許可するとは思えないんだけど……あやせんちに泊まるとでも言ったのだろうか? 「……そっか、なら泊まってくか?」 「うん!……あっ、言っとくけど……エッチなことはなしだからね」 「しねぇーよッ!おまえは俺をなんだと思ってやがる!……オオカミかなんかっすか?」 「うーん、歩くわいせつ物かな?」 「いくらなんでも酷すぎだろ!それぐらいにしないと俺が泣くぞ……っ!」 「あはは――っ!」 ケラケラと笑う桐乃。ふむ……どうやら、ご機嫌のご様子。 桐乃の笑顔はいつも俺の心を満たしてくれる―――きっと、こいつの笑顔を見るたびに、俺は死ぬまで同じことを思い続けるんだろうな。 ったく…………こいつはどこまで俺を惚れさせりゃ気が済むんだよ。 ひとしきり笑った桐乃は「じゃあ、お風呂入ってくるね」と言い残し、風呂場に向かう。 例のごとく、なぜか明日着る分の着替えを持参していたようだ。 まあ、パジャマは持ってきてなかったので、俺のを貸してやったが。 そして……現在、俺がなにをしているかというと……きっちり敷かれた布団の上で正座している。 「…………ふう」 落ち着け、俺……まずはこのそわそわした気分を克服するところから始めるんだ。 もちろん、風呂を覗こうなんて思っちゃいないぞ? むしろ、この後にやってくる添い寝イベントに対してそわそわしているだけだ。そこは勘違いしないでほしい。 ―――ここで、俺の物語を知ってるやつなら『いままでに何度も一緒に寝てるだろ!』と、ツッコミたくなる場面だろう。 だが、待ってくれ…………たしかに、桐乃とは何度も寝てるよ?(変な意味ではないからな!) けどさ、今日は俺のアパートという新しいシチュエーションなわけで……変に意識してしまうというか、ドキドキしてるわけだ。 …………まあ、ぶっちゃけなにかあるんじゃないかと超期待している! そんな感じで俺が煩悩と戦っていると、ガチャ―っと、風呂場のほうから音が聞こえてきた。 「はぁ~~~ッ!サッパリしたぁーっ」 「そりゃあよかったな」 「へへっ……お・ま・た・せ♪」 「お、おう……」 パジャマに着替えた桐乃がバスタオル片手にこっちにやってくる。そして、ちょこんと俺の隣に腰を下ろす桐乃。 ふわりと石鹸のいい匂いが漂ってくる。まだ、しっとりと濡れた髪がやけに艶っぽい。 誘ってる…………こいつ絶対誘ってるって!つうか、エロすぎだろこいつ……! 俺はさりげなく距離をつめる―――すると。 「ちょ、あんまそば寄んないで」 「…………そっすか」 なんすかねぇ、この理不尽?おかしくね? さんざん期待させといてこの仕打ち、男の純情を弄ぶなんて、やっぱ俺の妹はクソだわ。これは揺るぎない事実。異論はないよな? ったく、女神じゃなくて、悪女(ビッチ)の間違いなんじゃねーの? 「そーいうのは、あたしの髪乾かしてからにして」 「……お、おう!気合入れて乾かすぜ!」 「……ばーか」 ――どう、見た?俺の妹の天使っぷり。……いや、天使どころではない。これはまさしく女神そのもの。 奴隷根性丸出しで、俺は桐乃のサラサラの髪をドライヤーで丁寧に乾かしていく。 最後の仕上げに特徴的なクセ毛を乾かしてやる。すると、ぴょこんと重力に逆らう桐乃のクセ毛。 …………ふと、疑問に思ったことを桐乃に聞いてみる。 「なあ桐乃、これ動かせねーの?」 「はあ?動くわけないでしょ?」 「ふーん、そっか」 桐乃はそう言うけど、なんか動きそうな気がするんだよね。嬉しい時とかさ。 俺の気のせいだろうか?……まあ、深く考えてもしょうがないか。 よし、とにかく……髪は乾かした、あとは寝るだけだ……。うひひっ……夢が膨らむぜ! そして、俺はごく自然に切り出す。 「ごほんっ……桐乃、髪も乾かしたことだし、そろそろ――」 「ねぇ、あたし喉かわいたんだけど」 「…………へいへい」 ―――桐乃が麦茶を飲み終えたあと、二人並んで布団に寝転ぶ。 ちなみに枕は俺が使い、桐乃は俺の腕を枕代わりにしている。一緒に寝る時はこういう体勢になることが多い。 そして……あれだけ期待していた俺の気持ちとは裏腹に、腕の中の桐乃はすでにうとうとしている……。 頭を撫でてやれば、このまますぐにでも眠ってしまうだろう。…………ったく、しょうがねえなあ。 俺はゆっくりと桐乃の頭を撫でてやる。 「………ん」 「桐乃、おやすみ」 「ん…………」 やれやれ……こいつは何年経っても、俺の可愛い妹なのだ。 まったくもって、色気のあるイベントじゃあないよな。 ……でも、俺はいまとても幸せな顔をしているんだろうさ。 「すぅ……すぅ……」 「でも、まあ……これくらいならいいよな」 そして俺は、すやすや眠る桐乃に唇を重ねた――― ――翌日の朝。 「ふあ……」 「あ、起きた」 目を覚ますと、桐乃はすでに朝飯の準備に取り掛かっていた。 休日だってのに、あいかわらず朝が早い女である。 「おはよう、桐乃」 「ん、おはよ。今日バイトでしょ?」 「おう、午前だけだけどな。帰ってきたらどっかでかけるか?」 「……んー、そだね。久しぶりにカラオケでも行く?みんなも誘ってさ」 「おっ、そりゃいいアイデア」 「へっへっへー!たまに息抜きするのが努力を続けるコツだよ!」 「ははっ、おまえがそう言うとすげえ説得力あるよ」 そう、俺が一人暮らしを始めたのには理由がある―――それは、俺が桐乃を幸せにできる男だと親父たちに認めさせるためだ。 いくら口で『桐乃を幸せにする』と言ったところで、行動を伴わなければ意味がない。 うちの親父はそういう考えの人だし、俺もそう思う。親父は溺愛してる娘の相手を真剣に見定めるだろう。 …………だけど、よりによってその相手が娘の兄貴だなんて知ったら卒倒しちまうんじゃねーかな。 しかしそういう性格だからこそ、俺の評価も色眼鏡なしで真摯に受け止めてくれる可能性が高い。 とにかく行動あるのみということで、大学に入ってからバイトを始めたし、勉強もおろそかにしていない。 そして……現在は一人暮らしをして、できるだけ親の力を頼らずに頑張っている最中――というわけだ。 …………まあ見ての通り、身の回りの世話は桐乃がやってくれてるんだけどさ。 一人暮らしが始まる前に、親父に駄目元で食事なんかの世話を桐乃に頼みたいとお願いしてみたところ、意外にあっさりと了承してくれた。 正直言って、桐乃が俺の家に通い妻することを認めてくれただけでも奇跡のようなもんだと俺は思っている。 「ちょっと、なにボーっとしてんの?朝ご飯もうすぐできるから、顔でも洗ってくれば?」 「へいへい」 ――朝飯を食った後、バイトに向かう時間になった。 せっかくなので、新妻っぽくお見送りをしてもらっているところだ。 「じゃあ、行ってくるな」 「ん、じゃーね」 「おいおい……そこは『いってらっしゃい、お兄ちゃん♪お仕事頑張ってね!』って、可愛くお見送りするところだろ?」 「あ、そうだ。帰りにヨーグルト買ってきて」 「……スルーかよ」 可愛い新妻なんて幻想だ。現実なんてこんなもんさ。この先こいつと一緒に暮らすなんて不可能じゃないの? バイトに行く前からやる気が超絶ダウンである。 理想の新妻と、現実の差に俺がガッカリしていると…………。 「ったく……もう、しょーがないなぁ」 「えっ?」 「こほん――いってらっしゃい、京介。お仕事がんばれ」 「――――」 「どう?気合入った?」 「……おう!行ってくるぜ!」 現実はやばい。エロゲーを越えてる。 エロゲーの中にこれほど可愛い妹がいただろうか―――いやいない! 一瞬でやる気が超絶アップした俺は、意気揚々とバイト先へと向かうのであった。 ―――そして、数時間後。 みっちりと業務をこなし、ヨーグルト片手に帰宅中である。 さっき桐乃に電話で確認したところ、今日のカラオケには黒猫、あやせ、加奈子が来るようだ。残念ながら、沙織は欠席らしい。 カラオケは大人数で行ったほうが楽しいしな、というか……ぶっちゃけ桐乃と二人でカラオケに行くと大変な目に遭う。犠牲者は多いほうがいい。 そんなことを考えている間に、俺と桐乃の愛の巣が見えてきた。 「ただいまー」 「あ、お帰り」 バイトから帰ってきた俺が目にしたものは――― 「……おい桐乃、なんだこれは……」 「ふひひ~っ!超妹天国!」 「即刻撤去しろッ!」 「え~?」 この瞬間から、俺のアパートは魔窟と化したのだった…………。 ※ ――――どうよ、ひでぇ話だろ? あいつは、自分の部屋に納まりきらなくなったエロゲーやら、フィギュアやらで俺のアパートまで魔改造しやがったのさ。 撤去するように言ったものの、例のごとくあざとい笑顔にやられて結局許してしまったってわけだ。 こんな妹専用人生を歩んでる兄貴なんて、俺くらいなもんじゃないかなーって、我ながら思うぜ。 まあ、なにを隠そう人生相談継続中なもんでこればかりは仕方ない。 少しと言った割には、かなり長い話になっちまったな。どうやら、俺が妹の話をするといつも長くなってしまうらしい。 実はこの後、妹たちと遊びに行ってからちょっとしたエピソードがあったんだが…………これも話すと長くなりそうだな。 少しだけ説明しておくと、カラオケボックスでこんな会話が交わされた。 『――おい、京介』 『あん?なんだ?』 『オマエさー、もう桐乃と●●●●したのかよ?』 『ブッ―――!?』 こんな感じ。かなりぶっ飛んでるだろう? まあ、このカラオケの出来事はまた機会があれば語ることにしよう。 ……さて、ずいぶん待たせちまって悪かったな。回想という名目の現実逃避をしてたけど、そろそろ本題に入るとしよう。 この話をするには、今日の朝から一日を振り返っていく必要がある。 人生最大級のピンチはこんな朝の一幕から始まった――― ピピピピピピ! 俺が今朝目を覚ましたのは時計のアラームではなく、携帯の着信音だった。 寝ぼけた頭のまま電話に出る。 「はい……もしもし?」 『あ、京介?おはよう』 「お袋?……おはよう」 『あんたまだ寝てたの?一人暮らしだからってだらしない生活してたらダメよ?』 「わーってるよ……んで、朝からなんか用?」 もう少し惰眠を貪りたいってのに、うるせーババアだぜ。 バイトがない日くらいゆっくりさせてくれ。 『あ、そうそう!昨日特売だったからマグロのお刺身いっぱい買っちゃって、あんたにもおすそ分けしてあげようと思ってね』 「……へぇ、マグロか」 マグロという言葉に、俺はなぜか桐乃を連想してしまった。 特に深い意味はない。 『あんたも好きでしょ?昨日買ったやつだけどまだまだ新鮮よ』 「ほう……」 マグロ……新鮮……女体盛り。 これも特に深い意味はない。 『あんた、いやらしいこと考えてたでしょ』 「なっ!なことねーよっ!」 『はぁ……まったく、どうしてこんなに変態に育っちゃったのかしらねぇ……』 「ぐ………!」 呆れられてしまったが、返す言葉がないぜ。 お袋が俺に抱くイメージは『変態息子』で確定してしまっているようだ。 たまにお袋が来る日もあるんだけど、おかげで俺のアパートが異空間と化していることもバレちまってるしな! つうか、うちのお袋ってこういうところが鋭くて困るんだよね……実家にいるころからエロ本の隠し場所を変えてもすぐに見つけやがるしさ。 『まあ、いいわ。とにかく夕方持ってってあげるから、ちゃんと家に居なさいよ』 「へいへい、じゃあ大学から帰ったら連絡するわ」 ――そして、夕方。 「あ……」 「……お、おまっ!」 俺が帰宅すると、バスタオル一枚の桐乃が家で待っていた。 目が合い、硬直してしまう俺たち。 たしかに、桐乃がだいたいこの時間に来てるのはいつものことだし、予想もついてた。 ……だがな、さすがにバスタオル一枚で待ってるとは思わなかったぜ。さすが風呂好き……って、そうじゃねーだろ! 俺が桐乃になにかを言おうとしたその時、ガチャリ―という音が聞こえ、玄関を向くと。 「京介ー、持ってきたわよ…………って、あんたたちなにやってるの!」 「げっ――!?」 「えっ……?……お、お母さん!」 おいおいおいおい……連絡してから来るんじゃねーのかよ!?ってか、お袋のやつよりにもよってなんつータイミングで入ってきやがる! 桐乃も固まっちまってるし……やべえ……絶対変な誤解されてるよ。くそっ…………なんとか、乗り切らねえと。 最悪のタイミングで現れたお袋をごまかすために、頭をフル回転させ必死に言い訳の台詞を考る俺。 しかし……俺が言い訳を思いつくヒマもなく、お袋は携帯を取り出して誰かと話し始めてしまう。 誰に電話してんだ……って、どう考えても相手は一人しかいねぇわな。 ――――こうして、俺は実家へと強制連行されることになった。 高坂家のリビングには俺、桐乃、お袋―――そして、親父が揃っていて、いつかの家族会議の様相。 現在、お袋が親父にさっきのアパートでの出来事を説明していて、親父はそれを黙って聞いている。 固唾を飲んで待っていると、隣の桐乃が小声で聞いてくる。 「ねぇ……絶対ヤバイよね……?」 「……まぁ、俺の土下座くらいじゃ済まねぇだろうな」 ここでようやく冒頭に繋がるわけだ。……どうだい?ヤバイだろ? ……まさか、このタイミングで俺たちの関係が親バレするハメになるなんてな。 いつぞやの時とは違い、今回は後ろ暗いことがあるわけで…………まさしく、人生最大級のピンチってやつだ。 「どうするの?……あたしたち、離されちゃうのかな……」 「心配すんな。絶対なんとかするから――俺に任せろ」 「京介……うん、任せる」 「おうよ」 どう考えても勝ち目のない戦いだが……久しぶりの決め台詞を口にした途端、俺のテンションは限界突破する。 スーパーモードってやつだ。親父だろうがなんだろうが、負ける気がしねえぜ! ここで、俺の脳裏に親父と戦うための選択肢が出現する。 『1、親父と戦う(物理的な意味で)』 『2、親父を説得する(土下座的な意味で)』 『3、一人で逃げる』 『4、桐乃を連れて逃げる』 ……ふむ、こんなところだろうか。まあ、考えるまでもなく『3、一人で逃げる』は論外だ。実質三択だな。 俺が脳内で選択肢を選ぼうとした時、親父から声がかけられる。 「おい、聞いているのか京介」 「は、はい!?な、なんすか!?」 「母さんが言ってることは本当のことなんだな?」 「まあ、だいたいは……そんな感じっす」 「そうか……今回ばかりは大目に見すぎたようだな」 ビキビキしてる血管を揉む親父。…………無理無理無理無理――ッ!なにこの威圧感!? 血迷って『1、親父と戦う(物理的な意味で)』とか選んだ日にゃ、ソッコーでミンチになる未来しかねぇよ! あっぶねぇ~!……もう少しで桐乃を未亡人にしてしまうところだったぜ……。 落ち着いて考えると最初から二択だったな、うん。……気付いたかもしれないが、高坂京介という男は高校生の頃からなにも成長していないのである。 桐乃とお袋は、口を挟まない。実質、俺と親父だけの戦いだ。 さて、この二択……どちらを選択するべきか。俺が悩んでいると、親父が静かに切り出した。 「京介、おまえに大事な話がある。今後のことだ」 「……おう」 「おまえももう大人だ。お互い、腹を割って話せるはずだな」 「……ああ、そうだな」 俺たちの関係がいつまでも隠し通せるわけがない。どうせ、いつかはやらなくちゃいけないことだったんだ。 もしかすると親父たちは最初から気付いてて、俺が子どもだったから見逃してくれていたのかもしれない。 俺が大人になるまで待っててくれたのかもしれない。…………対等に話せる時がくるまで。 なら、俺の選ぶべき選択肢は土下座して見逃してもらうことでも、桐乃と一緒に駆け落ちすることでもない。 『5、親父を認めさせる』―――これしかないだろ。 結局のところ、俺にできることはいつだって変わらない。愚直に地雷原へと突き進むしかないんだ。 その結果両親が反対しても、桐乃を守り抜くと誓っている――――とっくの昔にな。 俺は、親父の目を真っ直ぐ見据えて覚悟を決める。 「親父、話がある」 「……言ってみろ、京介」 「俺は――俺は、桐乃のことが大っ好きだぁ―――――――――――っ!だから、ずっと一緒にいると決めた!」 「…………」 「きょう、すけ……」 隣に座る桐乃から、惚けたような声が聞こえる。へっ……惚れ直すのはまだだぜ、桐乃。 おまえは知らないだろうけど、俺と親父の対決はこれからが本番なのさ。 無言で俺の告白を聞いている親父に、さらに畳み掛ける。 「よっく聞けよ、親父!俺はなあ、妹が、桐乃が、超・大・好き・だぁ―――――っ!愛してると言ってもいいね!こいつと引き離されるくらいなら、俺は桐乃と駆け落ちするぜ!命をかけても守り抜くって決めたからなあ!」 そして、俺はいつかのように叫ぶ。 「分かったかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――っ!」 どうだ…………へへっ、言ってやったぜ。ぶっ飛ばされるんだろうなあ。 チラッと桐乃の様子を窺うと「ばかじゃん……」と、呟きながらポロポロと涙を零していた。 一方、お袋は俺の奇行にさして驚いた風でもなく、黙って親父のほうを見ている。 そして親父は口を動かす。 「言いたいことは、それだけか?」 「ああ、それだけだ」 「そうか…………」 長い沈黙。 親父も考えを纏めているようだ。 しばらくすると、親父は立ち上がり―――ゴチン! 「痛ってぇぇっ!」 案の定、ゲンコツ落とされちまったよ! 「この馬鹿息子が!よりによって自分の妹に手を出すやつがいるか!」 「しょ、しょうがねえだろ!好きなんだから!」 「好きだから仕方ないで通せると思っているのか!兄妹で恋愛など世間体もある。常識を考えろ!」 「そ、それくらい……わかってるよ」 「わかっておらんだろう!桐乃がおまえの世話をすることを許してやったのも、いかがわしいことを助長するためではない!」 「く……っ!」 予想はしてたけど、超正論だぜ。真っ向勝負じゃ勝ち目がねぇ。 ……仕方がない、こうなったらアレしかないな。追い詰められた俺は、とっておきの切り札を叫ぶ。 「……じゃあ親父は、仮に桐乃がよその男に取られてもいいってのかよ!?」 「なにを言っている?むろん反対だっ!桐乃を嫁に出すなど断固反対に決まってるだろう!常識で考えろ!」 「もちろん俺だって反対だぜ!俺も親父と同じ気持ちだ!」 「そうだろう!桐乃が嫁に行くなど……ぐぬぬ……考えるだけでも相手を殺したくなる!」 「お父さん……ちょっと、落ち着いて」 反対を力説する親父と、完全に呆れてるお袋。 シリアスな展開なんて吹っ飛ぶほどのグダグダな展開。 シラフでこれだぜ?うちの親父も相当やばいって!俺ほどじゃないけど、どんだけ桐乃を愛してるんだっつー話だよな。 こんな人から愛する娘を奪おうってんだから、簡単じゃないのは分かってるさ。 ――――ただ、グダグダになってきてからが、高坂京介の本領発揮ってわけだ。 「親父、落ち着いて聞いてくれ」 「なんだ!俺は落ち着いている!」 「俺が桐乃とくっつけば、桐乃は嫁に行かないんだぜ」 「むっ……そ、そんな提案を俺が飲むと思っているのか……?」 「ふっ、飲むね……いや、飲まざるを得ないはずだ」 「むう……」 冷静に考えれば俺と桐乃がくっつくのを認めてもらえなくても、桐乃は嫁に行かないだろうけど……あえて親父には黙っておく。 親父には俺と桐乃を認めないと、桐乃が嫁に行ってしまうぞ――という、脅しをかけなければいけないからな。 ご存知の通り、いつものハッタリだ―――だがしかし、親父には効果バツグンの模様。 へっへっへ……効いてる効いてる。 「ねぇ……あんた自分で無茶苦茶なこと言ってるって自覚ある?」 「うっせ、ちょっと静かにしてろ」 桐乃のツッコミを無視する俺。。 しばらく考え込んでいた親父は、真面目な顔つきになり俺に問いかける。 「京介、おまえの覚悟は本物なのか?」 「ああ、もちろんだ」 「おまえは桐乃の兄だぞ」 「わかってるよ」 「そうか…………京介」 「なんだ、親父」 「いま、おまえが口にした覚悟を生涯忘れるな」 「当たり前だ。言われるまでもない――俺は桐乃を、必ず幸せにするよ」 「ふっ――」 笑みを零す親父。 ……どうなんだ?……認めてくれたのか? 「親父、俺たちのこと……認めてくれるのか?」 「勘違いするな。おまえは頑張っているつもりなんだろうが、全然努力が足りん」 「そっすか……」 そんなに甘くはないらしい。 「俺を認めさせたければ、口だけじゃないということを証明してみせろ」 「……わかったよ、親父。いつか、絶対に認めさせてやるからな」 「ああ。やれるものならやってみろ」 どうやら、親父を安心させるにはまだまだ努力が足りなかったようだ。……当然だよな。 だけど証明してみせろということは、生涯をかけて証明し続けてみせろということだ。 ……もしかしなくても、これが親父なりの落としどころなんだって、鈍い俺でも察したよ。 親父との会話が一段落し、お袋が声をかけてくる。 「頑張りなさいよ、お兄ちゃん」 「おうよ、任せとけって」 「ありがとう……お父さん、お母さん」 「ふふふ――でもあんたたち、あんまりエッチなことばっかりしてちゃダメよ?」 「「なあ――ッ!」」 ――その後、久しぶりに我が家で夕飯を食べた後、お袋たちと話していると、親父が声をかけてきた。 親父は俺と二人で話したいことがあるということで、桐乃とお袋は席を外すことになり、いまリビングには親父と二人きり。 親父は、近親相姦の問題やら色々な資料を用意しており、長い時間をかけて説明してくれた。 この人は本当に俺たちのことを心配してくれているのだ―――まったく、ありがたい話だよな。 そして、最後に親父はこんなことを言い出した。 「――ということでだ、おまえにはこれを渡しておく」 「えーと、これって……」 「以前にも渡したことがあるだろう」 「いや、それはわかるけどさ……」 親父が手渡してきたのは、いつぞやの調書の用紙だ。 なにを書かせるつもりなのかさっぱり見当がつかん。 今回は桐乃以外には世話になってないしな。 「なにを報告すればいいのか、さっぱりわからんという顔だな」 「まあ、その通りだよ」 「おまえ、桐乃に手を出しているそうだな」 「えっ!?い、いやいや……それは誤解だって説明しただろ!?帰ったときに、たまたま桐乃が風呂上りだっただけだよ!」 「では、これまでにやましいことは一度もないと言うんだな?」 「そ、それは……ですねぇ」 ない――とは言えない。 ……ちょっと過激なスキンシップっていうか?コミュニケーションっていうか?そういうことはありましたからね、ええ。 とはいえ、さすがに親父には言いづらいっていうか、言いたくないというか。 「あるんだろう?」 「…………はい」 「まったく……せっかく紹介してやったアパートをホテル代わりに使うなど情けない」 「…………」 ……なにも言い返せねえ。 「おまえはこれから毎日、この紙に桐乃とした行いを書け」 「は、はぁ――ッ!?……な、なんで!」 「なんだ、不満か?」 「そ、そりゃそうだろ……!」 親にこんな詳細を書かされるやつなんて世界中探したって絶対いねぇーだろ! もし、万が一いたとしたら、絶対そいつも俺と同じようなとんでもない物語の主人公だよ! 「そうか、嫌だというならそれでも構わん。その代わり――」 「わ、わかりました!書きます!書かせていただきます!」 「ふむ、では渡しておく」 ちっくしょう…………!こんな辱めを受けなければならんとは…………! これも兄妹恋愛の試練なのか!?いや、絶対違うだろ! 俺が懊悩していると、親父はわかりやすい言い方をしてくれた。 「京介、ひとつ言っておくが……桐乃が未成年のうちは絶対に間違うな。言っている意味は分かるな?」 「ああ――わかった……約束する。ちゃんと報告もするよ」 「……ならいい。今日はうちに泊まっていけ」 「おう……ありがとな、親父」 親父に頭を下げてから、俺がリビングを出ると扉の向こうで桐乃が待っていた。 「なんの話してたの?」 「男と男の話し合いってやつだよ」 「ふうん、なんとかなった感じ?」 「へっ――任せろって言ったろ?」 「……ん」 こくんと頷く桐乃。 俺はそんな妹の頭を撫でてやろうとすると――いきなり頬をギュッとつねられた。 「……おい、痛いぞ」 「うっさい」 「なんで怒ってんだよ?」 「……さっき、あんたが言ったこと思い出してみなさいよ」 「え……?」 ……なんか言ったかな? 暴走して、色々と口走ったけど……桐乃を怒らせるようなことは言った覚えがないぞ。 「もしかして、わかんないの?」 「すまん、わからん」 「ちっ……『俺が桐乃とくっつけば、桐乃は嫁に行かない』とかなんとか……言ったでしょ」 「あ……ああ、言ったな」 あれは親父をごまかすための切り札だったわけだが、なぜか桐乃はご立腹らしい。 桐乃は俺の頬から指を離し、もじもじしながらこう言った。 「……あたしが京介以外を好きになるとか、有り得ないし……あんなこと二度とゆーな」 「――――」 なんだこの可愛い生き物。 俺が悶絶していると――桐乃は「わかった?」と、首を傾げながら聞いてくる。 「……わかった。もう二度と言わねぇよ」 「ん……ならいい」 「よっし、桐乃。一緒に寝るか」 「ちょっ……!いきなり変なとこさわんなぁっ!」 『おい、京介!さっきから全部聞こえているぞ!そういうことは自分のアパートでやれ!』 こうして、俺の人生で最もキツイ一日は幕を閉じた。 いやあ――マジできつかったよ。……ぶっちゃけ、何度か死にそうになったぜ。 でもきつかった分、親父は俺たち兄妹にとって最も頼りになる人となってくれるはずだ。 …………まあ、完勝ってわけにはいかなかったけど、いまの段階では十分な結果だろう。 後から聞いた話によると、親父たちは俺と桐乃の関係のことをとっくの昔に気付いてたらしい。 バレてるわけがないと思っていたんだが……さすが本職ってところだろうか? 気付いてないフリをしてたのには色々と理由があるみたいだけど、中でも一番の理由は俺たちが駆け落ちしてしまうことを避けたかったからのようだ。 親父もまた、俺たちと同じように悩んで、常に俺たちのことを考えてくれていて、一番良い方法を選んでくれてたんだな。 俺ってやつは、親父を安心させるどころか心配ばかりかけちまってた。 やれやれ…………長い道のりになりそうだ。 ―――そして、今年もクリスマスイブがやってきた。 「うわぁ……綺麗」 「はは――神様も粋なことしやがる」 現在俺たちが居る場所は、俺が妹に告白した時と同じスカイツリーの展望デッキだ。 なんの奇跡か、今年もあの日と同じくホワイトクリスマスとなっている。 「あの日から色々あったな」 「うん」 「いろんなことが変わったよな」 「うん」 「でもさ、あの頃と変わってないこともある」 「うん」 隣を見ると、桐乃は景色を眺めていた。 桐乃の耳にはハート型のピアスが付けられていて、左手の薬指にはオモチャの指輪が嵌められている。 俺はジャケットのポケットに入れてある小さな箱からあるモノを取り出し、右手に握り締め――彼女にこう告げた。 「俺はあの頃と変わらずおまえのことが好きだ」 そこで、桐乃はこちらを振り向き、尋ねてくる。 「恋愛的な意味で?」 「恋愛的な意味で」 懐かしいやり取りを交わす俺たち。たぶん、俺たち以外にはわからないやり取りだろうな。 嬉しそうな顔を隠そうともせず「へへっ……知ってる」と言いながら抱きついてくる桐乃。 ……そろそろいいだろう。 「……手、貸してみな」 「えっ、なにすんの?」 「いいから」 俺は桐乃の左手を取ると、薬指からオモチャの指輪を外す。 その代わりに隠し持っていた指輪を嵌めてやる。 「あ……これって」 「受け取ってくれるか?」 「……うん……嬉しい」 「あのさ、桐乃」 そして――俺はもう一度、妹にプロポーズした。 「――俺と、結婚してくれ」 俺のプロポーズを受けた妹は、とびきりの笑顔であの時と同じ返事をしてくれた――― ※ ―――あれから数年の歳月が流れ、俺たちはいま想い出の教会でささやかな式を挙げている。 兄妹のことを心から祝福してくれる人は決して多くない。それでも、俺はいま最高に幸せだ。 俺は、純白の花嫁を抱きかかえ―――耳元でそっとささやく。 「桐乃――愛してる」 「……あたしも」 ―おしまい― ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1870.html
215 名前:【SS】:2014/03/15(土) 00 26 42.65 ID zOv3MA0L0 俺の妹がこんなにエロゲーなわけがない~逆襲の秋美~ホワイトデー編 あの卒業式の日から2週間ほどが過ぎた。『約束』によって恋人期間を終了した俺と桐乃だったが、 その後の『人生相談』で、とりあえず恋人期間を延長することになった。 いきさつはまた別の機会に語る事にする。なにしろ今は――― ピンポーン 桐乃「誰か来たみたい」 京介「そうみたいだな」 桐乃「みたいだなじゃなくて早く出てよ」 京介「え~、桐乃と離れるのやだよ」 ピンポーンピンポーンピンポーン 桐乃「ば、バカな事言ってないで早く出ろっての!」 京介「へいへい」 俺は桐乃の部屋を出て階段を下りる。 くそっ、今日は親父もお袋もいないから、桐乃と二人きりで『お布団デート』を満喫していたというのに…………。 ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン! 京介「はいはい」 誰だ?こんな朝っぱらから……。鳴らし方からして宅急便の類いではなさそうだが……。 俺はドアをそっと開ける。 そこには――― ―――白クマがいた。 バタン!ガチャリ ドアを勢いよく閉じ、即刻カギを掛ける。 ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピンポーン!! 高橋名人ばりの連打と共にドアの向こうから、う~~~~が~~~~~~~~っ!という声が聞こえる。 間違いなく変質者である。よし!あやせに通報だ。 携帯を取りに戻ろうとしたところで更に叫び声が聞こえてきた。 秋美「人を呼び付けておいてこの仕打ちはなんだこらぁ!!!!」 京介「誰も呼んでねーよ」 秋美「呼ばれたんだよ!キミの!妹に!」 京介「桐乃~、白クマが来てるぞ。呼んだのか?」 騒がしいのが気になったのか、桐乃が玄関まで下りてきた。 桐乃「シロクマ?呼んでないケド?」 秋美「白クマじゃねーよ!フェレット!ホワイトフェレット!!」 わからん……。どう見ても白クマだろ、あれ。いつものくまさんが真っ白になっただけじゃねーの? ……まあどっちでもいいか。それより近所迷惑になりそうだから、そろそろ入れてやるか。 ガチャ 京介「入っていいぞ」 秋美「お…おじゃましまーす」 桐乃「なんだ、櫻井さんじゃん。いらっしゃーい」 秋美「よ、きりりん氏。」 桐乃「てゆーか櫻井さん、今日はシロクマなんだ」 秋美「だ~か~ら!ホワイトフェレットだっつーの!!そこ重要だから!」 桐乃「ふーん。で、なんでホワイトフェレットなワケ?」 秋美「よくぞ聞いてくれました!今日はホワイトデーなので、ので!本日限定特別仕様、ホワイトフェレット秋美ちゃんですっ♪」 相変わらず残念なヤツだ。つか、こんな格好で俺ん家来るのやめてくんねーかなぁ……。 とりあえず玄関じゃあれなので櫻井をリビングに通す。 秋美「とゆーわけで高坂、あたしにホワイトデーのお返しちょーだい(はあと)」 京介「なにが『とゆーわけで』だ。俺、バレンタインにおまえから何も貰ってねえじゃねーか」 秋美「バレンタインは寝込んでたの!キミの妹のせいで!」 そういやこいつ、桐乃の手作りチョコレートの特訓に付き合わされてたんだっけ。 あんなに食わされてよく生きて帰ってこれたな……と、感心するが―― 京介「それがなんでおまえにホワイトデーのお返しするって話になるんだ?」 秋美「どうせキミ、妹からラブラブ愛情たっぷりのチョコレート貰ったんでしょ!」 桐乃「ちょ!ななななに言ってんの櫻井さん!?」 秋美「まっずーい試作品を食わされ続け……意識が……遠のく中、チョコを作りながら 『京介喜んでくれるかな~』とか!『京介美味しいって言っ――」 桐乃「わーわーわーわーっ!!」 慌てて櫻井の口を押さえる桐乃。 ヤバい……嬉しくて泣きそうだ。櫻井がいなければ今すぐに桐乃をぎゅっと優しく抱きしめるのに……。 秋美「…………うぐっ!……このブラコンが!とにかく!キミが貰ったバレンタインチョコはつまり!あたしときりりん氏の合作なのだっ! だからあたしには高坂からお返しを貰う権利がある!」 京介「……ものは言いようだな。確かに桐乃のチョコはめちゃくちゃ美味かった!おまえの功績を少なからず認めよう。 だが……さっきも言ったけど、今日おまえには何も用意してないから、また後日あらためてって事でいいか?」 秋美「フッ。そんなことだろうと思ってキミにとびっきりのスペシャルなプランを用意してきましたー」 京介「ほう……」 櫻井の妄想プランは時々ぶっ飛んじゃいるが、男子高校生のツボは押さえていて実は密かに期待していた。 ……あ、俺もう高校生じゃねーや。 桐乃「櫻井さんの妄想って京介ばっかり得するようになってるよね。いつもあたしが損してる気がするんだケド……」 秋美「そこは心配いりません。なんたってホワイトデー限定プランですから!彼女さんに満足いただけること請け合いですよ!」 桐乃「でもなぁ……」 桐乃、なぜ顔が赤い……?それに櫻井、おまえの為のプランじゃないのか?桐乃を勧誘してどうする。 秋美「このプラン、他にも検討中の方がいまして、今お見送りされますと他の彼女さんに決まってしまう可能性もございますが……」 あほか……。なんだこの流れ……。それに、そんな不動産販売の決まり文句をパクっただけの勧誘に桐乃が食いつくわけ―― 桐乃「じゃあ聞く」 食いついただと?!…………まあいい。ツッコミたいのは山々だが、櫻井のプランが気になるし桐乃も乗り気のようなのでスルーすることにしよう。 秋美「それではいきますよー。じゃーん!その名も『朝から晩までお姫様デート』!」 京介・桐乃「ほう…………」 秋美「キミたちは『お姫様デート』と聞いてなにを連想するかな?」 京介・桐乃「……………………姫初め?」 秋美「ちげーよっ!!このエロゲ脳兄妹がっ!!お姫様つったらあれしかないでしょ!」 桐乃「もったいぶらないで早く言ってよ」 秋美「おっけ。ちなみに今回は秋美ちゃん視点になってるよん。では…………」 想像してみてください――― 俺は頭の中に桐乃をイメージしながら櫻井の妄想に耳を傾ける。 朝。まどろみの中、あたしは包み込まれるような温かさに目を覚まします。 ふと横を見ると彼の顔がくっつきそうなくらい近くにあります。どうやら腕枕をされていたようです。 あたしはその心地良さに彼の胸に顔をうずめて匂いを嗅ぎます。とてもいい匂いです。 すると彼も目を覚まし、あたしの頭をそっとナデナデしてくれました。 あたしは幸せいっぱいな気持ちになり、彼にぎゅっと抱きつきます。 京介「……………………」 桐乃「……な、なんか具体的だけど『お布団デート』と変わんなくない?それにお姫様は?」 秋美「焦るでないきりりん氏。まだまだこれからですぞ!」 桐乃「……わかった。続けて」 秋美「ほいほいー」 このままずっと彼に密着していたいところですが、寝起きの顔を見られ続けるのと、 お口のエチケットが気になるので、洗面所に行くと告げ部屋を出ようとします。すると彼が 『俺にまかせろ』 と、あたしを抱きかかえました。いわゆるお姫様だっこです。 桐乃「お姫様だっこキタぁ!!」 秋美「そうです!これが『お姫様デート』の所以、全ての女子の夢!憧れ!お姫様だっこです!」 桐乃「櫻井さん、続き続き!」 秋美「ういういー」 『今日はホワイトデーだから俺が連れて行ってやるよ。あと、してほしいことがあったら何でも言ってくれ』 お姫様だっこされたあたしは彼に 『絶対離さないでよね』 と言うと彼は 『ああ、絶対離さない』 と。あたしは彼にそっと抱きつき身を委ねます。 そして部屋を出て階段を下りていきます。一段一段ゆっくりと慎重に。 その度にあたしは彼の首に巻き付けている腕の力をぎゅっと強めます。 無事階段を下り終わり、洗面所までたどり着きました。 名残惜しいけれど、だっこから降ろしてもらい、洗顔をします。 そして歯磨きをしようとしたところで彼が 『それ……俺にやらせてくれないか?』 『え……?歯磨き?京介が?あたしに?』 『ああ』 桐乃「……こ、これはまさかあの伝説の――」 秋美「ふっふっふ。そうこれがあの伝説の『阿良々木兄妹の歯磨きプレイ』!!」 桐乃「うひょーーーー!!火憐ちゃんktkr!!!!すっごーい!櫻井さん天っ才!!!!」 秋美「とーぜんっ!ホワイトデーだけに歯をホワイトにするプランだぁーーーっ!!」 桐乃「早く次!次!!」 秋美「あいあいー」 『…………いいよ』 『じゃあおまえの歯ブラシ貸してくれ』 『えっと……あたしのじゃなくて……京介の、使っていいから』 『俺の?』 『べ、別に間接キスしたいとかそんなんじゃなくて!磨いてもらうからにはちゃんとして欲しいからさ、 いつも使い慣れてる歯ブラシで磨いた方が磨きやすいかなってゆーか…………』 『わかった。そういう事なら俺のを使わせてもらうぜ。でも本当に俺のでいいのか?』 『し、しかたないっしょ!今日は特別だかんね!』 京介「オタクってすげえな。俺には元ネタがサッパリわからねえが、『歯磨きプレイ』……超してえええぇぇぇえええーーーーーー!!!!」 秋美「ついに堕ちたな高坂ぁ!!さっそくあたしん家で『お姫様デート』しようよ!」 京介「しない」 秋美「なんでだよー!!超したいって言ったじゃんか!!」 桐乃「あ、櫻井さん!ちょっと待ってて!」 桐乃は櫻井の言葉をさえぎり、急いで階段を上がっていく。部屋に戻ったようだったがすぐに下りてきた。 桐乃「櫻井さん、これっ!」 きれいにラッピングされた小さな箱を櫻井に渡す桐乃。 櫻井「これは……?」 桐乃「バレンタインのチョコ作り手伝ってもらったお礼。ちゃんとおいしく出来たやつ食べてもらってないからさ」 櫻井「今日呼ばれたのって……これのため?」 桐乃「そ。……櫻井さん、チョコ作り手伝ってくれてありがとね」 櫻井「きりりん氏……」 桐乃「とゆーわけで、櫻井さん今日はおつかれさま。帰っていいよ」 京介「おう。櫻井またな」 櫻井「ちょ!ちょっと待ったぁ!!まさか君たち、あたしを追い返して『お姫様デート』するつもりじゃ……」 桐乃「しないよ?」 京介「しないぞ?」 秋美「う……う……うそだあああぁぁぁあああ!!!!高坂のばかーーーー!!!!こんちくしょおおおぉぉぉおおおーーーー!!!!」 ダダダダダダダダダダダダダダダダ バタン!! 断末魔の叫びと共に家を飛び出していく櫻井。 あんな格好の女の子が家から叫びながら出てったらまたご近所さんの噂になっちまうだろうが! そんな心配をしていた俺をよそに桐乃が、 桐乃「あんたさ、さっき歯磨きプレイの元ネタわかんないとか言ってたじゃん?」 京介「ん?ああ」 桐乃「しかたない。今からその元ネタのブルーレイ見せてあげるから、あたしの部屋いくよ」 京介「お、おう」 歯磨きプレイ……か。さっき櫻井の妄想は途中で中断されたから続きが気になるところではあるな。 そう思い、桐乃の部屋へ向かおうとリビングから出ようとしたが、言いだしっぺの桐乃がなぜか動こうとしない。 すると――― 桐乃「ん」 京介「ん?」 桐乃「だから!ん!」 京介「……どうした?」 桐乃「もう!なんでわっかんないかなぁ!」 京介「…………あっ」 俺は桐乃のそばまで戻り、ひょいと『お姫様だっこ』をしてやった。 桐乃「絶対離さないでよね」 京介「ああ。絶対離さない」 それから桐乃の部屋で、阿良々木くんと火憐ちゃんの歯磨きプレイを視聴した後、 俺と桐乃は少しだけ仲良くなったのであった。 ちなみに今日俺が桐乃のために用意したホワイトデーのお返しは、風呂上りの桐乃に開けてもらおうと風呂場の前で待っていたのだが、 予定より少し早く帰ってきた親父とお袋に先に開けられてしまい、その後すぐに家族会議が開かれた。 ~終~ ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/564.html
964 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/12(火) 17 29 57.75 ID rg9NtwgEP [4/6] さて、次スレ立ても直前。37の想いが桐乃を創る、ということで 940 に 949 952 954 を付け足して修正してスレタイ候補まとめてみたよ! 皆が想うきりりんはこんな感じなようですVer.2↓ 勢いだけでやった。後悔はしていない。反省もしていない あたしはお37い頃から兄貴が好きで、胸から溢れるほどに37ぎる想いは兄貴に向けてきた。 この37が振り向く美貌だって兄貴のために磨いてきたんだから! アンタもメルル37さい! って兄貴と一緒にメルル見ながら、それでもあたしが気になって ちらちらあたしのこと見る兄貴に「ちゃんと37さいよ、このシスコン 」とか言っちゃうの。 でもホントはあたしが兄貴の姿37いとダメになるくらい兄貴にぞっこんLOVEで我慢できなくてちらちら見ちゃうの。 偽装デートは本番37がら! だってあたしは偽装なんて思ってないし? 兄貴の事だって「京介♪」って名前で読んじゃってあたしもう幸せ一杯で鼻血出ちゃう!! 兄貴の入った後のお風呂はいつもドッキドキ。つい籠に入った兄貴のぱんつに手が伸びて……う、うそ! 嘘だから! べ、べべべべべ別に兄貴のぱんつなんて興37いし? ち、ちょっと匂ってくるのが気になるだけ! うん! だってあたしは将来の夢は兄貴のお嫁37純情乙女! 新婦桐乃様と新郎京介様との式にご参列の37さま…なんて想像しちゃうぐらいにピュアピュア! 結婚式に来る皆に目移りするあいつに「他の娘を37いでよ、京介… 」なんてなんてなんて!! で、で、で、でも結婚といえば、し、しょ、初夜よね。 き、きっと変態兄貴のことだから、兄貴のリヴァイアサン37ぎってきたのを見て顔赤くするあたしに 「兄貴のリヴァイア37めたいの…」とか「兄貴のリヴァイア37かにほしいの…」とか言わせるに決まってる! でも兄貴の愛がパワーの37もとのあたしはそんなこと言われても断れないの。兄貴のバカぁ… あ、だ、ダメ。そ・・そんな目で37いであにきぃ・・・そんな目で見られたら、あたし、あたし……! ああ! 兄貴の変態! 変態! キモイッ! 超キモイッ! でも大好き! 何言ったって降37んて絶対しないんだから! 兄貴が離せっていっても兄貴のこと絶対に離37いもん! 決めた! 今決めた! 「37、あたし兄貴と結婚する!!」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/166.html
205 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 22 34 16 ID qP/3iAbd0 [9/9] 14歳差で姉弟でかつ姉はヤンデレ これはなかなか・・・ 210 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 23 07 12 ID quq2HJAD0 [2/2] 205 あやせ「ねえ、憶えてる? 私の誕生日に花をくれたよね? お兄さんと桐乃に子供ができて、私が泣いていた日に花をくれた……」 弟「ゴメン、憶えてない」 あやせ「嘘…嘘、嘘、そんなの嘘っ!!」 弟「姉さん、手、離してくれないかな……俺、これから高坂とデートなんだよ」 あやせ「そんなの私の弟じゃない!! だって……桐乃の子供は男の子じゃない!」 弟「どうして姉さんはそうやって物事の表面しかみないんだよ!」 瀬菜「ホモが嫌いな女の子なんていません!」 桐乃「どうしてあの子ってばあんな風に育っちゃったんだろ」 京介「お前の妹好きが高じて娘で色々遊ぶから アイツが嫌がって「自分は男だー」なんて言い出したんだろ……」 -------------